表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生門田ケイスケ君〜チート能力を二つも授かり、女性が全て全裸のハーレム世界に飛ばされたが、俺は視力が悪くて何も見えない件〜  作者: 星狼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/4

新たな覚悟

「……まぁ、浮いてるかもしれないけどさ。このTシャツはシンプルだし、こういうのって君達の世界にもあるんじゃないの?」


ケイスケは自分の胸元を軽くつまんでみせた。

視界は相変わらず白く滲んだままで、アリエルの姿はぼんやりとした影にしか見えないのに、なぜか気まずさが先に立った。


「Tシャツ……Tシャツ……Tシャツって何ですか……?」


アリエルの声が、少し首を傾げたように聞こえた。


「いや、だから、これがTシャツ……!」


ケイスケは慌てて自分の服を引っ張ってみせる。

でも、彼女にはそれが何なのかさっぱり分からないらしい。


「あっ、それがTシャツって言うんですね?なんで、そんな布、纏ってるんですか?動きにくくないですか?」


「……は?」


一瞬、頭が真っ白になった。

動きにくい?

いやいや、普通に服着てるだけだろ……?


アリエルの言葉に、じわじわと違和感が広がっていく。

もしかして。

いや、まさか。

でも、もしや。


ケイスケは喉を鳴らして、恐る恐る口を開いた。


「あのさ……?一つだけ、聞きたいんだけど。今、君ってどういう格好してる……?俺、視力0.001くらいだから、ほんとに何も見えないんだ……」


短い沈黙。


「……私は何も身に纏っていません。生まれたままの姿です」


「……え?」


「……はい?」


「……生まれたままの姿ってことは、裸!?」


「はい、そうです」


目の前に、女性の――神秘の肉体があるはずだ。

柔らかな曲線。白い肌。風に揺れる髪。

全部、そこにあるはずなのに。


自分には、何も見えない。


あぁ、言葉にしたい!

あぁ、誰かに伝えたい!


「今、俺の目の前で、すげえ美人が全裸で立ってるんだぜ!」

「この部分がこうこうこういう感じになってて、あの部分はこうこうこういう感じになってるの!」


みたいな感じの、それはそれは美しく文学的で、何処か邪な香りが漂う表現を使って!


もし誰かが僕の事を見ているなら、それはそれは事細かに共有したい!


でも、できない。

だって、見えないんだ。

視力が0.001だもん。


「……本当、異世界の人って不思議ですよね?動きにくくないんですか?この世界では誰もそんな事してませんよ」


「この世界では、全員裸なのか!?」


「はい、そうですよ。とりあえず、お困りのようなので、私の村に案内しますね。私の村は女性だけの村です」


アリエルが、俺の手をそっと取った。

温かい。

柔らかい。

指先が絡む感触だけは、はっきりと伝わってくる。


ケイスケは、されるがままに一歩踏み出した。


あぁ、なんてことだ……。


チート能力を二つも授かった。

無限魔力。概念剥奪。

これからハーレム生活が待ってるはずだった。

美少女たちに囲まれて、チヤホヤされて、俺最強無双の日々が……。


なのに。


俺はこの世界で、一番大事な能力を持ってない。


……そもそも概念剥奪だって、対象を視認できないんじゃ使えねえじゃん!

無限魔力あっても、裸の女の子が目の前にいても、見えなきゃ意味ねえよ……!


「……0.1でいいから視力をくれよ」


ケイスケは思わず呟いた。


「女神様ァ……!リセマラさせて下さい……!」


そして草原に響く悲痛な叫び声。


でも、もちろん返事はない。

人生にリセマラなんて、あるわけがない。


でもこれ、そんなテンションになるもんですかね?

僕は別に見えなくても、これ悪い世界じゃないと思うんですよ。

結構羨ましい世界だと思いますよ?

な〜んでケイスケ君、あんなテンションになってるんでしょうね?


ケイスケは、ぼやけた視界の中で、ゆっくり息を吐いてこの世界で生きていく為の覚悟を決める。

門田ケイスケの、新たな人生が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
わあ…すごいもどかしさが伝わってきました!!! これ、与えられた能力を使って視力かそれに変わるものを手に入れれそうですね…!!!魔力を使って超音波を出してコウモリみたいに物質を認識するとか…って冷静に…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ