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05 虚構と現実

 当作は完全無欠にフィクションでありますが、格闘技界の情勢についてはあるていど現実世界を下敷きにしております。

 格闘技団体や試合会場なども、おおよそはモデルが存在いたします。

 ただし、現実世界のパロディになってしまわないように、それぞれ脚色を施しております。


 些末な一例をあげますと、当作で最初に登場する試合会場『恵比寿AHED』は、『新宿FACE』という試合会場をモデルにしております。

『新宿FACE』はもともとライブハウスでありましたが、恵比寿に移転したのち、跡地が格闘技の興行を含むイベントスペースとなりました。

『恵比寿AHED』はそれをひっくり返して、ライブハウスが恵比寿から新宿に移転したという設定になります。

 プレスマン道場が新宿であったので、試合会場まで新宿であるのは収まりが悪いという意識もあったのでしょう。


 また、『新宿FACE』のキャパは600名であるようですが、『恵比寿AHED』は1300名ということにいたしました。

 観客が600名では物寂しいという思いがあっての改変でありましたが、今にして思えばそれぐらいの少人数に留めておいたほうが、のちの発展を強調するのに有効であったかもしれません。


 上記はあくまで些末な一例でありますが、格闘技団体も試合会場もそれぞれ現実世界の印象が強まらないように意図的な脚色を施しております。

 格闘技に精通しておられる方々でしたら、おおよその見当はつくといったぐらいのイメージでありましょうか。


 いっぽう、格闘技界の情勢に関しては、あるていど現実に即しているかと思われます。

 まずはプロレスを源流とする総合格闘技が日本国内に局所的なブームを生み、ブラジリアン柔術とバーリトゥード由来のMMAが発展するとともに世界的なブームが巻き起こるという図式も、現実世界そのままでありましょう。


 自分も当時は、プロレス由来の総合格闘家が柔術家たちに敗れ去る姿を歯噛みしながら観戦しておりました。

 その怨念が、弥生子や京菜に背負わされているものと思われます。


 総括いたしますと、当作は「現実の格闘技界がこんな風だったら楽しいのにな」という妄想を土台にしているわけです。

 それは当作に限らず、自分の創作活動の原点であるのでしょう。現代ものでも異世界ものでも、自分は「こんな世界だったら楽しいのにな」「こんな人たちが実在したら楽しいのにな」という思いでもって、筆を走らせているように思います。

 ひとりでもたくさんの方々と同じ楽しさを分かち合えたら、光栄の限りでございます。

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