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誰にも語らぬ新たな目標

ケインが本格的に国家間の外交をやることになりました。


灯火亭に戻り、ケインがリサに新たな任務について報告すると、彼女はやはり、寂しそうな表情を見せた。


「また、しばらくの間、ここを離れることになるのですね...…」


「ええ、頻繁にというわけにはいかないかもしれませんが、交渉の状況によっては、サルメディアに赴く必要も出てくるかもしれません」


「そうですか...…」


リサは俯き、言葉を探しているようだったが、やがて顔を上げ、健気な笑顔を作った。


「でも、あなたが信じる道を進むことが、一番大切です。私は、ここで、アンナやレオンたちと一緒に、この灯火亭をしっかり守っていますから。だから、安心して、お仕事に集中してくださいね」


その言葉と笑顔が、ケインの心をどれほど勇気づけたことか。二人の間には、物理的な距離が離れていても決して揺らぐことのない、深い信頼と愛情が確かに存在していた。



ケインは、外交という新たな、そして大きな仕事に深く関わる一方で、グランセリオ国内の問題にも、静かに目を向け始めていた。


サルメディアの奴隷制度と、グランセリオのハズレスキル問題。その根底にある「不当な価値の押し付け」と「可能性の否定」という共通構造。彼は、この二つの問題への取り組みが、互いに影響し合い、より良い社会を築くための鍵になるのではないかと感じ始めていた。


時間を見つけては、グランセリオ国内で「ハズレスキル」を持つとされる人々の現状や、彼らが持つ隠れた能力について、情報を集め、分析する作業を少しずつ始めていた。それは、まだ誰にも話していない、ケイン自身の新たな目標となりつつあった。



ケインは、レナード卿率いる交渉チームと共に、サルメディア側との最初の非公式な接触に向けた、慎重な準備を開始した。それは、華やかな表舞台とは無縁の、水面下での地道で、しかし極めて重要な外交作戦となるだろう。


ケインの異世界での物語は、もはや一介のコンサルタントの枠を遥かに超え、国家間の未来、そして社会の在り方そのものに影響を与える、壮大なスケールで展開し始めていた。彼の挑戦は、まだ始まったばかりだ。


NHK連続テレビ小説「あんぱん」の

「逆転しない正義」というのが響いてます。


一人一人が安心して生きることができる

優しい世界になりますように。


明日も19時に。

よろしくお願いします。

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