表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/129

奴隷制度に挑む決意と二人の絆

国王の密命、危険な使命。


王宮へ呼び出された日の夜、灯火亭の閉店後、ケインはリサにだけ、国王から受けた依頼の内容を打ち明けた。静まり返った店内に、ケインの言葉が一つ一つ落ちていく。


「サルメディアの、奴隷制度の問題解決に、力を貸してほしい、と……国王陛下直々に頼まれたんだ」


予想外の言葉の重さに、リサは息を呑み、しばらく言葉を失った。彼女の脳裏には、以前ケインから聞いた、あの非人道的な奴隷市場の光景が蘇っていた。


「そ、そんな……危険すぎます!」


リサの声は震えていた。


「あの国に、また行くことになるかもしれないんでしょう? しかも、国の根幹に関わるような、そんなデリケートな問題に首を突っ込んだら……ケインさんの身に、何かあったら……私は……!」


彼女の瞳には、ケインの身を案じる深い不安の色が浮かんでいた。愛する人が、再び危険な場所へ、しかも今度は国家間の問題という、より大きな渦の中に飛び込もうとしているのだ。心配しないはずがない。


ケインは、そんなリサの不安を痛いほど感じながら、彼女の手を優しく握った。


「心配かけて、本当にごめん。僕も、正直に言って怖い気持ちがないわけじゃない。でも……」


ケインは、サルメディアで見た奴隷たちの虚ろな瞳、人間がモノとして扱われる理不尽さ、そして自分が感じた強い憤りを思い出した。


「でも、あの光景を、あの現実を知ってしまった以上、見て見ぬふりはできないんだ。それに、国王陛下や王女殿下は、僕の持つ知識や視点が、何かを変えるきっかけになるかもしれない、と信じて託してくれた。僕にできることがあるのなら、挑戦してみたい」


ケインの瞳には、恐怖を乗り越えた、静かだが揺るぎない決意が宿っていた。


リサは、ケインのその瞳を見つめ返し、彼の覚悟を悟った。不安が消えたわけではない。しかし、彼女はこの人を信じている。彼が正しいと信じる道を進むことを、全力で支えたいと思った。


「……わかりました」


リサは、涙をぐっと堪え、ケインの手を握り返した。


「あなたがやると決めたことなら、私は全力であなたを支えます。どんなことがあっても、私はあなたの味方です。でも、約束してください。絶対に、絶対に無理はしないで。そして、必ず私のところに帰ってきてくださいね」


その言葉は、ケインにとって何よりの力となった。リサという存在が、彼の心を支える最大の錨であることを、改めて強く感じた。二人の絆は、この新たな試練を前に、また一つ深まったのだった。


ケインは、どうやって国を変えるのか!?


いつも応援ありがとうございます。

明日も19時に公開します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ