湖畔に響く、心からの告白
ハーブを探しにきたケインとリサ。
ハーブ探しが一段落し、湖畔で休憩していると、空模様が急変し、突然激しい雨が降り出した。
「わっ! どうしよう!」
「あそこに古い狩人の小屋があります! 走りましょう!」
ケインはリサの手を取り、近くにあった小さな小屋へと駆け込んだ。
雨音だけが響く、薄暗い小屋の中。狭い空間で、濡れた服のまま、二人は言葉もなく隣り合って座る。互いの吐息が聞こえるほどの距離。
ケインは、隣にいるリサの存在を、これまでになく強く意識していた。雨に濡れた彼女の髪、少し赤らんだ頬、不安げに揺れる瞳……。
守りたい、大切にしたい、という想いが、抑えきれないほど込み上げてくる。
雨が小降りになり、西の空に美しい虹がかかった頃。
小屋を出た二人は、夕暮れの光に照らされた湖畔を歩いていた。ケインは、意を決して足を止め、リサに向き直った。
「リサさん」
「……はい」
リサも、何かを察したように、緊張した面持ちでケインを見つめる。
「僕は、ラゼルシアに行って、色々なことを経験しました。危険なことも、大きな挑戦もありました。でも、その間、ずっと考えていたのは……あなたのこと、そしてこの灯火亭のことでした」
ケインは、一度言葉を切り、深く息を吸った。
「うまく言えませんが、僕は、あなたの笑顔が好きです。あなたの作る料理が好きです。あなたの優しさが、強さが……あなたの全てが、大切です。僕は、あなたのそばにいたい」
それは、決して流暢ではなかったかもしれない。しかし、ケインの心からの、正直な言葉だった。
リサの瞳から、大粒の涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。それは、悲しみの涙ではなかった。
「ケインさん、私……私もずっと、ケインさんのことが……」
言葉にならない想いが、涙と共に溢れ出す。
ケインは、そっとリサの肩を抱き寄せた。リサも、ためらうように、しかし確かに、ケインの背中に腕を回した。夕暮れの静かな湖畔で、二つの心は、ようやく一つに重なった。
ようやく・・・
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