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小さな始まりと子どもたちの変化

ルーナ学舎、順調です!


数ヶ月が経つ頃には、「ルーナ学舎」に通う子どもたちの数は数十人に増え、目覚ましい変化が現れ始めていた。


多くの子どもたちが、自分の名前や簡単な単語なら読み書きできるようになり、街の看板に使われている数少ない文字や数字を指さして、「あっ、これ知ってる!」と声を上げるようになったのだ。


その変化は、子どもたちだけでなく、彼らの親たちの意識をも変え始めていた。


「うちの子が、自分で名前を書けるようになったんです!」

「この前、市場で計算を手伝ってくれて……本当に驚きました」


親たちから、ティナやケインへの感謝の言葉が寄せられるようになった。


「見てください、ケイン様!」


ある日の夕方、学舎の窓から、子どもたちが覚えたての文字を地面に書いて遊んでいる姿を眺めながら、ティナは感極まって涙ぐんでいた。


「あの子たちが、文字を知ろうとしてる。こんな日が来るなんて……」


「ええ、素晴らしい進歩です」


ケインも、子どもたちの成長と、ティナの涙に、確かな手応えを感じていた。これは、ラゼルシアの固く閉ざされた扉をこじ開ける、まだほんの小さな一歩に過ぎない。しかし、それは間違いなく、この国の未来を変える可能性を秘めた、大きな大きな一歩なのだ。


ケインとティナは、顔を見合わせ、微笑んだ。この「隠れ学校」を、これからどう守り、どう発展させていくか。彼らの挑戦は、まだ始まったばかりだった。



ケインとティナが始めたささやかな「ルーナ学舎」は、そのユニークなアプローチと、子どもたちが示す目覚ましい成長によって、瞬く間に街の人々の間で評判となった。文字が読めるようになった子どもたちが、親の手伝いをしたり、弟や妹に絵本のようなものを読んであげたりする姿は、これまで「文字など不要」と考えていた大人たちの心をも動かし始めていた。


「あの学舎、うちの子も通わせられないだろうか?」

「読み書きができれば、商売の帳簿付けも楽になるかもしれん」

「わしも、若い頃に少しだけ習った文字を、もう一度思い出したいんだが……」


ティナのソルノ書房には、子どもだけでなく、大人たちからも「学びたい」という切実な声が寄せられるようになった。


ティナは、その反響の大きさに喜びを感じる一方で、頭を悩ませていた。学舎の小さなスペースと、ケインと自分だけという教え手の数では、これ以上受け入れるのは物理的に不可能だ。


そして何より、活動がこれ以上目立てば、貴族階級からの本格的な弾圧を招きかねない、という恐れがあった。


貴族階級の人にとっては、

恐ろしいことですね。

人の成長というのは。


明日も19時に公開します。

よろしくお願いします!

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