表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/141

新たな依頼! 識字率1%の国、ラゼルシアへ

グランセリオに平穏が訪れました。


ある日、ケインのもとに一通の手紙が届いた。差出人はエリアナ。


しかし、中に入っていたのは彼女からの短信ともう一通、見慣れない異国の装飾が施された封蝋で封じられた手紙だった。


エリアナの短信にはこうあった。


「ケイン様へ。

先日、隣国ラゼルシアの小さな書店の店主から、我が商会を通じてあなたに相談したいことがある、と切なる手紙が届きました。内容は同封の手紙に。

ラゼルシアは少々特殊な国ですが、もしご興味があれば、渡航の手配は喜んでお手伝いいたしますわ」


ケインは、興味を惹かれ、もう一通の封筒を開けた。


そこには、丁寧だが、どこか切実さが滲む女性の文字で、信じられないような依頼が書かれていた。


「はじめまして、ケイン・モリヴァン様。

私は隣国ラゼルシアで『ソルノ書房』という小さな書店を営んでおります、ティナ・ソルノと申します。

突然のお手紙、お許しください。

グランセリオでの貴方様の素晴らしいご活躍の噂は、遠くここラゼルシアにも届いております。

『マーケティング』という未知の力で、埋もれた価値を輝かせ、多くの人々を助けていらっしゃると。

もし、万が一にも可能性があるのなら、どうか、このラゼルシアに来ていただけないでしょうか?

そして、この国で『本を売る』手助けをしていただけないでしょうか?」


(ラゼルシアで、本を売る?)


ケインは眉をひそめた。


ラゼルシア王国。

グランセリオの隣国でありながら、交流はあまり盛んではない。伝え聞くところによれば、そこはグランセリオ以上にスキル至上主義が徹底され、特に「魔法スキル」を持つ貴族階級が絶対的な権力を持つ国だという。そして、最も特徴的なのは……。


「この国の識字率は、わずか1%ほどしかありません。

文字を読めるのは、貴族の方々、一部の富裕な商人、そして高位の魔法使いや神官など、ごく限られた人々だけです。

一般の庶民にとって、文字は縁のないもの、本は“高貴な者”だけが持つ“力の証”と見なされています」


(識字率1%!? そんな国で、本を売ってくれ、だと? 正気とは思えない依頼だ……)


ケインは手紙を読み進めた。


ティナ・ソルノは、この絶望的な状況下で、たった一人で民間書店を営んでいるという。


彼女の切なる願いは、ただ一つ。


「私は、この国の人たちに、“知ること”の喜び、物語の楽しさを届けたいのです。

文字が読めなくても、何か方法があるはずだと信じています。

どうか、ケイン様のお知恵をお貸しください」



手紙を読み終えたケインの脳内で、マーケティングスキルが鋭く反応した。


【依頼内容:ラゼルシア王国における書籍販売促進】

【市場環境:識字率極低 / 知識へのアクセス制限 / 貴族による情報統制】

【ターゲット(ティナの希望):一般庶民】

【潜在需要(知識・物語への欲求):レベルA(非常に高い)】

【最大の障害:文字の壁/文化的偏見/流通の壁】

【マーケティング的突破口:非文字媒体への転換(ビジュアル・体験・音声化)/既存概念の破壊】

【推奨アクション:依頼受諾、現地調査開始(成功期待値:中~高)】

(潜在需要レベルA! やはり、どんな環境でも、人は知識や物語を求めるものなのか……そして、突破口はある、か……)


ケインの心に、新たな挑戦への炎が灯った。


識字率1%の国で本を売る。


それは、灯火亭やガロン工房の再建とは、また次元の違う困難なミッションだろう。


しかし、もし成功すれば、それは単なるビジネスの成功ではなく、一つの国の文化や価値観にさえ影響を与えうる、大きな意味を持つ仕事になるかもしれない。


「……面白い。やってみる価値はありそうだ」


今日から、ラゼルシア編スタート!


ワクワクしてきました。

明日19時に更新します。


どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ