影の立役者、ケイン
ようやく悪徳商会が潰れました!
ヴァルガス商会という巨大な脅威は去った。
王都の市場には徐々に平穏が戻り、市民の生活も安定を取り戻した。
この一連の事件を通じて、ケイン・モリヴァンという異邦のコンサルタントの名は、単なる飲食店の成功者としてではなく、王都の危機を救った影の立役者として、王家や商人ギルド、そして多くの市民の記憶に深く刻まれることとなった。
そして、スキル至上主義が根強いこの国で、スキルの優劣だけではない、「知恵」と「誠実さ」、そして「人と人との繋がり」がいかに大きな力を持つかを、多くの人々が再認識するきっかけとなった。
「灯火亭」と「ガロン工房」は、最大の危機を乗り越え、より多くの人々からの信頼と支持を得て、さらなる発展への道を歩み始めた。
ケインとリサの関係も、共に幾多の困難を乗り越えたことで、単なる仕事仲間以上の、より深く、確かな絆で結ばれていた。
ケインは、新しくなった「灯火亭」の窓から、活気を取り戻した街並みを眺めていた。
戦いは終わった。しかし、彼の物語はまだ終わらない。この世界には、まだ光を待つ「価値」が眠っているはずだ。
そして、彼にはそれを掘り起こし、輝かせるためのスキルと、かけがえのない仲間たちがいる。
(さあ、次は何をしようか)
ケインの胸には、安堵感と共に、未来への新たな希望と挑戦への意欲が静かに燃え始めていた。
ヴァルガス商会という大きな脅威は去り、グランセリオ王国の王都と、ケインが関わってきた「灯火亭」や「ガロン工房」には、確かな平穏が訪れていた。
市場の混乱も収束し、ケインの働きかけとセリーヌ王女の後押しによって、公正な競争を促すための新しいギルド間のルール作りも進められようとしていた。
ケインは、自分が蒔いた種が着実に芽吹き始めているのを感じ、深い満足感を覚えていた。灯火亭の経営はリサと頼もしいスタッフたちに任せられるようになり、ガロン工房も自立した運営を確立しつつあった。
(グランセリオでの俺の役割は、ひとまず果たせたのかもしれないな……)
もちろん、完全に問題がなくなったわけではない。逃亡したゲオルグ・ヴァルガスの行方は知れず、いつか再び脅威とならないとも限らない。
しかし、今のグランセリオには、エリアナ・クレスメントという強力な味方、王家との繋がり、そして何より、困難を共に乗り越えた多くの人々との絆がある。
以前とは比べ物にならないほど、国全体が悪意ある力に対する抵抗力を増していた。
一件落着!
次回から新章に入ります。
次の舞台は、とある国の、とある・・・
明日19時をお楽しみに〜




