「環境管理官」誕生と王家との繋がり
シエルの掃除スキルのおかげで、
城が救われました!
ケインがセリーヌ女王と会った日の夜、王城では異例の速度で新たな制度が導入されることが決定された。
王女の強い意向と、カリウス執事長(彼もケインたちの成果を認めざるを得なかった)の後押しがあったからだ。
【王城布告】
一、清掃は、身分やスキルの別なく、王城の健全な運営に不可欠な『環境維持の術』と定める。
一、「掃除」スキル、及びそれに類する衛生管理能力を持つ者は、今後『王城環境管理官』として正式に採用し、相応の地位と報酬を与えるものとする。
一、王城内の衛生状況については、ケイン氏が作成した『衛生状況チェックツール』(ケインがスキルで見える化した項目を基に作成したチェックリストと報告フォーマット)を用い、定期的に監査・報告を行うこととする。
王城を去る日、ケインは特別報酬の金貨1枚に加え、カリウス執事長から深々と頭を下げられ、そしてセリーヌ王女からは、個人的な感謝の言葉と共に、王家の紋章が入った小さなブローチを賜った。これは、いざという時に、王家との繋がりを示す証となるだろう。
王都を離れる帰りの馬車の中で、ケインは窓の外を流れる景色を見ながら、静かに呟いた。
「結局、強いスキルとか弱いスキルとか、そんなものは人が勝手に決めた尺度でしかないんだ。本当に大切なのは、その力が『誰に必要とされているか』……その価値を見つけ出し、証明することなんだな」
マーケティングとは、モノやサービスだけでなく、人の持つ力、埋もれた才能、そして時には「掃除」のような見過ごされがちなスキルの「価値」さえも見える形に変え、世の中に必要とされるものへと昇華させる魔法なのかもしれない。
ケインは、王城で得た大きな成果と、ヴァルガス商会に対抗するための確かな「繋がり」を手に、次なる目的地へと向かうのだった。
数日後、王都から戻ったケインは、早速リサとチーム灯火亭のメンバー、そしてガロンに王城での出来事を詳細に報告した。
劣悪な衛生環境、シエルという少年との出会い、そして「見える化」能力を駆使した環境改善作戦、セリーヌ王女との謁見と新たな制度の導入。話を聞き終えた皆は、驚きと興奮で言葉を失っていた。
「す、すごい……ケインさん、王女様と直接お話を!?」
アンナが目を丸くして叫ぶ。
「しかも、新しい役職まで作らせちまうなんて、あんた一体何者なんだ……」
ガロンも呆れたような、しかし感心しきった表情でケインを見た。
「これで、ヴァルガス商会も少しは手出ししにくくなるかもしれませんね。王家との繋がりができたのは大きいです」
レオンが冷静に分析する。
チーム全体が、ケインの成し遂げた大きな成果に勇気づけられ、安堵の空気に包まれた。
ただ一人、リサだけは、喜びと共に、胸の奥にほんの少しだけチクリとした寂しさを感じていた。
ケインが、自分たちの手の届かないような、大きな世界で活躍していく。それは誇らしいことであると同時に、彼がいつか、この小さな店のことから離れていってしまうのではないか、という漠然とした不安を掻き立てるのだった。
しかし、彼女はその気持ちを顔には出さず、笑顔でケインの成功を祝福した。
「本当にお疲れ様でした、ケインさん。素晴らしい成果ですね!」
王城の危機を救ったケイン!
マーケティングスキルを使って
埋もれた価値を見つけ出せ!
明日から、新章突入〜
19時公開!
どうぞよろしくお願いいたします。




