冒険者からの感謝とギルドからの厚遇
ケインのマーケティング戦略が成功しました。
ある日の昼下がり、ケインが「灯火亭」でリサやスタッフたちと賄いを食べていると、屈強な体つきをした一人の剣士が店に入ってきた。彼は、まっすぐケインの元へ歩み寄ると、深々と頭を下げた。
「ケイン殿、先日は世話になった!」
それは、最初に<スピナ・ブレード>を購入した、「疾風のダリオ」と呼ばれる腕利きの冒険者だった。
「ダリオさん、どうも。例の剣の調子はいかがですか?」
「最高だ! 先日、難易度の高い迷宮に挑んだんだが、あの剣のおかげで、厄介な魔物を仕留め、危ないところだった仲間を守ることができた。まさに『その一閃が、仲間を救う』……あんたの言った通りだった。ガロン殿にもよろしく伝えてくれ。本当に、あんたたちには感謝している!」
ダリオは、心からの感謝を力強く述べた。
それはダリオだけではなかった。街中でケインを見かけると、
「ケインさんのおかげで良い武器が手に入ったよ!」
「ガロン工房を紹介してくれてありがとう!」
と声をかけてくる冒険者が後を絶たなかった。
彼らにとってケインは、単なる飲食店のコンサルタントではなく、自分たちの活動に不可欠な「価値あるもの」を見つけ出し、提供してくれる恩人となっていたのだ。
ケインは、自分のスキルが武器の性能向上だけでなく、冒険者たちの命や成功に間接的に貢献できていることに、大きな喜びと責任を感じていた。
その評判は、冒険者ギルドの幹部たちの耳にも届いていた。
ケインがギルドに用事があって立ち寄った際、恰幅の良いギルドマスター自らが、わざわざ彼を呼び止め、労いの言葉をかけた。
「ケイン君、君の活躍は聞いているよ。君のおかげで、ガロン殿の素晴らしい武器が多くの冒険者の手に渡り、依頼の成功率も上がっている。街の治安維持にも繋がっており、ギルドとしても大変感謝している。何か困ったことがあれば、可能な範囲ではあるが、ギルドとしても協力は惜しまないつもりだ。いつでも声をかけてくれたまえ」
それは、ケインにとって予期せぬ、しかし非常に心強い申し出だった。
ガロン工房が冒険者たちの信頼を集める一方で、市場ではヴァルガス商会系列の武器屋に対する不満の声が囁かれ始めていた。
「ヴァルガスんとこの剣は、見かけは派手だが、すぐに刃こぼれする」
「値段が高いわりに、品質はガロン工房の足元にも及ばない」
「修理を頼んでも、法外な値段をふっかけてくるらしいぞ」
ヴァルガス商会の利益優先、顧客軽視の姿勢が、ガロン工房の誠実な仕事ぶりと対比され、結果的に灯火亭やガロン工房への信頼をさらに高める形となっていた。
ヴァルガス商会・・・まだいたのか・・・
(いやいや自分で書いておいて何を言うw)
明日も19時にアップします。
どうぞよろしくお願いいたします!




