旗艦商品<スピナ・ブレード>誕生
第二のクライアントさんと出会いました。
ケインはまず、ガロン工房が抱える問題を整理した。
第一に「ターゲット設定の欠如」。
ガロンの武器は実用性一辺倒で、誰に向けたものかが不明確。この国の冒険者は、性能と同じくらい武器の「見た目」や「希少性」、「噂」を重視する傾向があるが、ガロンの武器にはそうした要素が一切ない。
第二に「プロモーション不足」。
工房は人通りの少ない裏通りにあり、看板は煤け、武器には値札すら付いていないものもある。当然、POPのような販促物も皆無。
第三に「価格設定の誤り」。
品質に見合わない安すぎる価格設定が、かえって「安かろう悪かろう」という印象を与えてしまっている可能性すらある。
「ガロンさん、まずは一本だけ、この工房の『顔』となるような特別な剣を作ってください」
ケインはガロンに提案した。
「顔? なんだそりゃ」
「いえ、『旗艦商品』……つまり、この工房の技術力の粋を集めた、一番売りたい代表作のことです。そして、その剣には特別な『名前』をつけて売り出します。例えば──」
ケインは、ガロンの技術力(スキルで見える化済み)、市場のトレンド、ターゲット層(中堅以上のスピード型冒険者)を考慮し、具体的な商品企画を練り上げた。
新商品名:閃鋼の剣 <スピナ・ブレード>
コンセプト:「風を斬り、光を断つ。スピード型冒険者のための究極の一振り。軽量でありながら驚異的な耐久性を実現」
キャッチコピー:「その一閃が、仲間を救う。限界を超える速度を、その手に」
販売価格:銀貨30枚(通常品の3倍以上だが、品質に見合うプレミアム価格を設定)
特典:初回購入者限定特典として、“ガロン工房の紋章入り特製レザーシース(鞘)”をプレゼント
「銀貨30枚!? そんな値段で売れるわけが……」
ガロンは目を剥いたが、ケインは自信を持って説明した。
「価値があるものには、それに見合う価格をつけるべきです。そして、その価値をきちんと伝えれば、必ず求める人が現れます」
ガロンは半信半疑ながらも、ケインの熱意に押される形で、持てる技術の全てを注ぎ込み、数日かけて<スピナ・ブレード>を鍛え上げた。
それは、ケインが見たどの剣よりも美しく、鋭く、そして手に吸い付くような絶妙なバランスを持っていた。
スピナ・ブレードって、
ちょっと厨二病みたいになってしまったwww
明日の19時更新!
どうぞよろしくお願いいたします!




