屋台の大成功と「この味を家に」高まる要望
収穫祭、無事に終了〜
収穫祭での大成功により、「灯火亭」の名前は、単なる「最近人気の店」から、「街で評判の美味しい店」へと、確実にランクアップした。そして何より、この経験は、リサ、アンナ、レオン、そしてケインにとって、かけがえのない成功体験となり、チームとしての自信と一体感を確固たるものにした。
「さあ、次はどうしましょうか、ケインさん?」
片付けを終えた帰り道、リサが期待に満ちた目でケインに尋ねた。
「ふふ、それはこれからのお楽しみですよ」
ケインは微笑んだ。チーム「灯火亭」の快進撃は、まだ始まったばかりなのだから。
グランセリオ大収穫祭での「灯火亭」屋台の大成功は、まさに起爆剤となった。
祭りの後、その評判を聞きつけた人々が、街の外からもわざわざ足を運んでくるようになり、店は連日、開店前から行列ができるほどの盛況ぶりとなった。アンナとレオンという頼もしい仲間が増えたとはいえ、チーム全員が息つく暇もないほどの忙しさだ。
嬉しい悲鳴であると同時に、新たな「声」が客たちから頻繁に寄せられるようになった。
「このハンバーグのソース、本当に絶品だな! 頼むから瓶詰めにして売ってくれないか?」
「サラダにかかってるドレッシング、家でも使いたいんだけど、レシピ教えてもらえない?」
「持ち帰り用に、あのデミグラスソースだけ少し分けてもらうことはできないかね?」
客たちの熱心な要望は、ケインとリサにとって新たな可能性を示すものだった。
「ケインさん、これって……もしかしてチャンスじゃないでしょうか?」
閉店後、客からの要望をまとめたメモを見ながら、リサが興奮気味に言った。
「ええ、間違いなく大きなチャンスです」
ケインは頷いた。
「『灯火亭』の味を、この店の中だけでなく、もっと多くの人に届ける。『灯火亭ブランド』として、私たちの商品を外の世界に送り出す時が来たのかもしれません」
ケインは、リサ、アンナ、レオンを集め、商品化プロジェクトのアイデアを説明した。
看板メニューである「幻のデミグラスソース」、そして最近リサが考案し、常連客の間で「かけるだけで何でも美味しくなる」と評判の「魔法の万能ドレッシング」。この二つを主力商品として瓶詰めにし、販売するという計画だ。
「うわー! 自分たちが作ったものが、お店で売られるなんて!」
アンナは目をキラキラさせている。レオンも、口数は少ないながら、誇らしげな表情を浮かべていた。
チーム全員のモチベーションは最高潮に達した。
次から、新章突入です!
明日、19時に公開します。
どうぞよろしくお願いいたします。