動き出すチーム! グランセリオ大収穫祭への挑戦
年に一度の『グランセリオ大収穫祭』に出店します!
屋台出店を決めてからの日々は、まさにお祭り前の準備のように慌ただしく、そして活気に満ちていた。
「屋台で出すメニュー、何がいいかな?」
「持ち運びやすくて、冷めても美味しいものがいいよね」
「やっぱり、あのハンバーグは外せないんじゃない?」
「いや、もっと手軽に食べられる串料理とかは?」
チーム全員で意見を出し合い、試作を重ね、収穫祭限定の特別メニューを考案していく。
ケインは、原価計算や必要資材の調達、当日のオペレーション計画などを担当し、マーケティングの視点から魅力的な看板やPOPのデザインも考えた。
大量の食材の仕込みは、まさに時間との戦いだ。夜遅くまで厨房に立ち、協力して作業を進める中で、時には意見がぶつかったり、失敗して落ち込んだりすることもあった。
だが、その度にケインが間に入って調整し、リサがみんなを励まし、アンナとレオンが互いをフォローし合う。そうして、チームの絆はより一層深まっていった。
そして、いよいよ収穫祭当日。
街はお祭り一色に染まり、朝から大勢の人々でごった返していた。指定された区画に、チームで協力して組み上げた「灯火亭」の屋台は、ケインがデザインした明るく目を引く看板と、食欲をそそる料理の香りで、早くも多くの人の注目を集めていた。
「さあ、皆さん! チーム灯火亭、初めての挑戦です! 最高の笑顔と最高の料理で、お客さんを迎えましょう!」
ケインの檄が飛ぶ。
「「「はいっ!!」」」
リサ、アンナ、レオンは、揃いのエプロン(リサの手作りだ)を身に着け、気合十分に返事をした。
屋台の前には、開店と同時に次々と客が押し寄せた。
「噂の灯火亭の屋台だって!」
「うわ、このハンバーグ串、めちゃくちゃ美味そう!」
「こっちのスープもいい匂い!」
アンナが満面の笑顔で注文を取り、レオンが黙々と、しかし確実に調理補助をこなし、リサが心を込めて仕上げた料理を手渡していく。ケインは全体の状況を見ながら指示を出し、時には自ら呼び込みも行う。
用意した料理は飛ぶように売れていき、屋台の前には一時、長い行列ができるほどだった。
「美味しい!」
「こんなお店があったなんて知らなかった!」
「今度、絶対お店にも行くよ!」
客からの嬉しい言葉が、チームの疲れを吹き飛ばしていく。
日が暮れて、収穫祭がクライマックスを迎える頃には、灯火亭の屋台の商品は全て完売していた。
「やった……やったね、みんな!!」
リサは、感極まって涙ぐんでいた。アンナとレオンも、疲労の中にも達成感に満ちた晴れやかな笑顔を浮かべている。ケインも、満足そうに頷いた。
「大成功でしたね、皆さん。今日の頑張りは、必ず次に繋がりますよ」
チームのみんな、お疲れ様でした!
思いの外、サラッとした内容に(汗)
明日も19時にアップします〜