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サルメディア王国、奴隷制度廃止!!

保守派が崩壊します。


追い詰められた保守派の一部、特に奴隷商人ギルドの過激派と、失脚したマルティン侯爵の残党たちは、ついに最後の悪あがきともいえる暴挙に出た。彼らは、一部の不満を持つ傭兵や、自分たちが保有する奴隷たちを扇動し、首都で小規模な武装蜂起を試みたのだ。


「改革派と外国勢力から国を守れ!」という偽りの大義を掲げて。彼らの狙いは、混乱に乗じて改革派の主要メンバーを暗殺し、軍の実権を掌握することにあった。


しかし、その動きすらも、ケインの「見える化」スキルは事前に察知していた。ケインからの警告と詳細な情報 (蜂起の規模、拠点、首謀者など)は、即座に改革派リーダーのハキム、そしてエリアナを通じて、サルメディア軍内部の穏健派 (レナード卿が事前に接触し、改革への理解を得ていた)へと伝えられた。


結果、保守派の武装蜂起は、発生とほぼ同時に、準備を整えていた改革派の私兵と、穏健派の正規軍によって、最小限の被害で、あっけなく鎮圧された。反乱の首謀者たちはその場で捕らえられ、彼らの口からは、保守派全体の陰謀と、さらには逃亡中のゲオルグ・ヴァルガスが裏で資金援助をしていた事実までが白日の下に晒されることとなった。


このクーデター未遂事件は、サルメディア国民に保守派の醜悪さと危険性を決定的に印象付け、彼らの信用を完全に失墜させた。もはや、彼らの声に耳を貸す者は、ほとんどいなくなった。逮捕・追放された主要メンバーに代わり、改革派がサルメディアの政治・経済の中心へと躍り出る道が、ついに開かれたのだ。


そして、歴史的な瞬間が訪れる。


長年の沈黙を破り、サルメディア国王が、国民に向けて力強く宣言したのだ。


「我がサルメディア王国は、今日、過去の過ちと決別し、新たな時代へと歩み出すことを、ここに宣言する! 長きにわたり、我が国の発展を妨げ、多くの民を苦しめてきた奴隷制度は、段階的に、しかし確実に廃止する! 我々は、身分やスキルに関わらず、全ての民が尊厳を持ち、その持つ可能性を最大限に発揮できる、真に豊かで公正な国を築き上げることを誓う!」


国王の演説は、魔法通信を通じて国中に伝えられ、大きな衝撃と、そして解放への希望の波紋を広げた。もちろん、長年の制度を変えることは容易ではなく、多くの困難が予想された。


しかし、国が公式に改革へと舵を切った意味は、計り知れないほど大きかった。


宣言に基づき、具体的な改革が矢継ぎ早に開始された。奴隷解放に向けた法律の整備、解放される人々のための職業訓練所や基礎教育を提供する学校 (ケインがラゼルシアで得たノウハウも参考にされた)の設立準備、そしてグランセリオとの技術協力による代替産業育成プロジェクトの立ち上げ。


ケインは、これらの改革プロセスが軌道に乗るまで、アドバイザーとして、惜しみなく自身の知識とスキルを提供し続けた。彼の「見える化」能力は、複雑な社会改革をナビゲートする上で、かけがえのない羅針盤となった。


ついに、歴史が動いた!!!


明日も19時に

どうぞよろしくお願いいたします。

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