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歴史的な秘密同盟、成立

恐怖の正体は不確実性!

ケインの言葉が改革派の心を動かしました。


その夜、深夜まで及んだ白熱した議論の末、グランセリオ交渉チームとサルメディア改革派は、一つの共通目標――「サルメディアの奴隷制度からの段階的脱却と、持続可能な未来の実現を目指す」――の下、秘密裏に連携し、情報交換を行いながら具体的な行動計画を練っていくことで、固く合意した。それは、法的な拘束力を持つものではない。


しかし、両国の未来を変える可能性を秘めた、歴史的な「秘密同盟」の誕生だった。固い握手が交わされ、参加者たちの目には、不安と共に、確かな希望の光が宿っていた。


会合は成功裏に終わった。


しかし、ケインのスキルは、同時に新たな脅威の接近も告げていた。この秘密会合の動きを、保守派(あるいはヴァルガス残党)が嗅ぎつけ、彼らに対する「妨害工作リスク指数」が急上昇していることを示していたのだ。危険と希望は常に隣り合わせだ。


ケインたちは、厳重な情報管理と今後の慎重な行動計画を確認し合い、ザルツァを後にした。グランセリオに戻ったケインの胸には、大きな達成感と共に、これから始まるであろう、より激しい戦いへの覚悟が満ちていた。


彼は、この大きな成果と、忍び寄る新たな脅威について、国王陛下とエリアナ、そして愛するリサに報告する準備を始めるのだった。彼の異世界での物語は、今、最も重要で、最も危険な局面へと突入しようとしていた。



中立都市ザルツァでの歴史的な秘密会合から数日後。


ケインとレナード卿はグランセリオ王宮に戻り、国王陛下とセリーヌ王女にその成果――サルメディア国内の改革派との連携合意――を詳細に報告した。


「おお、よくぞやった! レナード、そしてケイン殿!」


国王は、満足げに頷き、二人の労をねぎらった。セリーヌ王女も、


「これで、ようやくサルメディアの未来を変えるための、小さな、しかし確かな一歩を踏み出せましたわね」


と、喜びに顔を輝かせた。


しかし、国王はすぐに表情を引き締め、警告を発することも忘れなかった。


「だが、油断はならん。保守派の抵抗は、これからが本番だろう。彼らは、自分たちの権益を守るためなら、あらゆる手段を使ってくるはずだ。くれぐれも慎重に事を進めよ」



ケインはエリアナにも結果を報告した。彼女は


「予想以上の成果ですわ、ケイン様!」


と称賛しつつも、


「これでサルメディアの保守派は、本気で我々を、そして改革派の方々を潰しにかかるでしょう。すぐに、改革派の方々への支援体制の強化と、保守派の動向監視を、我が商会の最優先事項とします」


と、即座に具体的な対策に動き出した。



短いながらもグランセリオでの報告と打ち合わせを終え、ケインは灯火亭へと戻った。リサは、ケインの顔に浮かぶ疲労の色を見逃さなかったが、彼が、


「うまくいきました。大きな一歩です」


とだけ簡潔に告げると、それ以上は深く詮索せず、


「そうですか……良かった。本当にお疲れ様でした」


と、ただ優しく微笑んで、温かいハーブティーを淹れてくれた。そのさりげない気遣いが、外交という非日常の緊張感から戻ってきたケインの心を、深く癒やした。


歴史的な秘密同盟の誕生です!

やっと動き出すぞーーー


明日も19時によろしくお願いします!

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