死ぬのが怖くなったとき考えること
みなさんご存知の通り、人は必ずいつかは死にます。
今地球上に存在する60億以上の人の命は、百年後には全てまるっと綺麗に入れ替わっている。
これは疑いようのない事実でございます。
いずれは自分にも来たる、避けようのない死。
それを想起してしまうと、誰もが恐怖したり不安に思ったりしてしまうのは仕方の無いことでございます。
「先生、死ぬのがこわいのです」
しばしば患者様が、このような気持ちを私に吐露されることがございます。
笑顔を絶やさずにその患者様を慰めつつ、心のなかではこのように唱えております。
「心配ございません。あなたは死の間際、必ず死に対する恐怖よりも渇望が勝ることになりますから」
と。
高齢化社会が進んでいる現代において、80.90まで生きるのはもはや当たり前のこと。
そういった高齢者が迎える最期は、老衰やピンコロといった安楽に満ちたものとはほど遠いものであることがほとんどなのでごさいます。
肺炎、認知症、心筋梗塞、脳梗塞、そして癌。
ほぼ全ての高齢者がこれらのいずれかで最期をむかえるわけでございますが、今際の際に彼らが死に対する恐怖や送ってきた人生への悔恨の意を表することは決してごさいません。
そう、彼らはみな一様に、
早く楽になりたい、、、
先に亡くなった家族に会いたい
とこぼすわけでございます。
わたくしは無宗教の立場ではございますが、
死は終わりではなく救いである。
という教えには強く共感せざるをえません。
あなたももし、ふとした瞬間に死がたまらなく怖くなったなら、、、
自分の最期がどのようなものになるのか想起してみれば、わずかでも恐怖は紛れるかもしれませんね。