第三話 受け取り
あれから、1週間してまた街に降りた。
今度は服や消耗品など買わず防具と刀を受け取りに行くだけだった。
前回と違うのはなぜかチークがいないこと。
そのため、転移は使えずチークが書いたほとんど適当な地図で街に出た。
まぁ、適当とは言え要点だけは押さえてあるのでそれを目印にして町には到着した。
『んー。町に着く頃には昼になってるだろうから昼ご飯代も入れておいたよ。』
そう言い、直接お金は渡されていないが代わりにこの間登録したギルドの身分証を渡された。
ここにお金を入れてあるらしい。
どうやって使うんだろう。
とりあえず、まず昼食だ。
そんなことを考えているうちに先に例の鍛冶屋に着いた。
「おぅ、小僧。」
「…ネフです。ご無沙汰しております。」
「頼まれた獲物はできてる。」
「あの、…お金は?カードしか渡されてないんですが。」
「おぅ、支払いはそれだな。見た限りランクはEか。まぁ、話は聞いてたから大丈夫だ。」
そう言い店主は奥から刀と防具を取ってきた。
「…そういえば、今お前1人だろ。危ないから今のうちに防具をつけておけ。教えてやる。」
少し不愛想に感じるが一つ一つ丁寧に教えてくれた。
態度に反して優しいのかもしれない。
「よし、これでいい。」
「あ、ありがとうございます。」
僕の体に合うように作られたレザーアーマーというらしい革の防具、握りやすく調整された刀を渡された。
着てみると意外としっかりしている。
違和感もない。
刀を抜いてみると波紋の種類はわからないけど、きれいだった。
初めて自分の刀を持って少し感動した。
「違和感は?」
「…ないです。」
「ならいい。違和感や小さくなればまたここへ来い。金は…まぁ、その時次第だ。」
最後に『業物だ。大事に使え。』とだけ言い残し奥に行った。
「お金は?」
「お金はギルドに請求する。気にするな。」
最後に質問をすると奥からそう聞こえた。
ということで、本日の第一目標は終わってしまった。
「じゃあ、次はご食かな。」
何を食べよう。
好きな食べ物といえば卵料理になってしまうが、この世界に鳥の卵を食べる文化は薄い。
そのため、何を食べるか悩む。
道に並んでいる屋台で見かけるのはソーセージなどの肉が多い。
川魚も見かけるが数は少ない。
「…。」
まぁ、気に入る店があればそこで食べよう。
葡萄ジュースに誘われて寄った店で『ソーセージをお願いします。』と頼むと首を傾げられた。
指をさして言うと『腸詰だ』と答えられた。
まぁ、味はそんなに変わらないので気にせず食べた。
「…ふぅ。」
腸詰の代金は、先ほどと同じくカードで済ませ店を出た。
お腹は膨れたのでそろそろ屋敷に帰ることにした。
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