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雪だるまとカウントダウン

作者: 雪

今年もこの季節がやって来た。

外では子供たちの笑い声、楽しそうに遊んでいる姿がある。雪が降ってきてはしゃいでる姿がある。


僕、冬野鈴(ふゆのすず)は毎年この季節を楽しみにしている。

何故なら、、、、



「みてみて鈴さーん!!雪だるま!雪だるま作ったよ!凄いでしょお!」

という、近所の子供たちからの自慢話を聞けるから。

そして、その声を、その内容の話を聞くと、必ず思い出す。

それは、小学生の時のことだ。





「おい鈴ー!!お前も一緒に作ろうぜ??雪だるま!」

こちらを向いて大声で誘ってくるのは自他共に認める親友である日下部幸信(くさかべゆきのぶ)。その誘いに、毎年毎年断っている僕だが、今年だけは断れない理由があった。


「鈴、今年は作ろうぜ、、?一緒に作れるのは、今年で最後なんだから。」

彼、幸信は来年の春、お家の事情で引っ越すそうだ。

「しゃあねぇなぁ…いいぜ、作るか!雪だるま」


そして、雪だるまを作ったときに思った。あぁ、もっと前からずっと、一緒に作ればよかった、、。

解っていた、2人でやることはなんだって楽しいと。でも、ずっとやらなかった。どうしてやらなければいけないのかわからなかった。




その1か月後、彼は引っ越した。きっと僕は、泣いていただろう。その日のことはよく覚えていない。

そして、あれから20年たった今年もまた思い出すのだ。彼からの、雪だるま作ろうぜ!という誘いを。


後ろから近づいてくる気配に気づくまで、あと3秒。

そして、驚くまで、あと4秒。

更に近づいてくるその気配の主に、「雪だるま、作ろうぜ」と言われるまであと――――――

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