【塩田 清隆side-清兄-】
今日、従兄弟の北条 凛太郎がこの街へ引っ越してくる。
小さい時から、俺を清兄・清兄と慕って
後を着いて回っていたやつが17歳、高校生
になったのだ。といっても、
最後にあったのは2年前だから
さほど変わらないだろう。
急に引っ越してくることになったのは
俺の叔母である凛太郎の母親が
男を作って、凛太郎を追い出したからだ。
そんな、凛太郎を俺は
ほっておくことも出来ず、俺のところに
住めばいいと言ったが、この街は普通じゃない。
凛太郎は、勉強ばかりであまり周りに関心が
無いからなのか、この街に来いと言っても
「清兄と住めるなら、勉強もしっかりするし、バイトもして学費も自分でちゃんと払うからよろしくお願いします!」と喜んでOKした。
馬鹿ではない凛太郎なら
話せばちゃんと分かるだろうと、不安な気持ちに
蓋をして凛太郎を出迎え、先程に至る。
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既に運び込まれた凛太郎の荷物の置いてある
部屋や、家の中を一通り案内した。
『とりあえず、家の中はこんな感じだ。
物の場所は後々覚えていけばいいし、
またその都度、聞いてくれ。
コーヒー入れるから、リビングに来い。
この街のことも話す。』
まだ荷物を持っていた凛太郎にそう伝え俺はリビングに向かった。
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-ガチャ-
「お待たせ。清兄」
リビングに遠慮がちに入ってきた凛太郎。
『さっきも言ったが、もうお前の家でもある。
遠慮なんかするな。従兄弟である俺にもな!
早く座れ。』
そう言ってソファーに早く座るよう促した。
こくりと頷き大人しく座った凛太郎へ
俺は話し始めた。
『いいか、よく聞けよ?
この街は、【晦冥】と呼ばれる
組織の漆黒の猛獣たちが管理し、
支配している。
そして、その漆黒の猛獣たちを支配し服従させているのが、【晦冥】のトップの猫様だ。
猫様は、この街だけではなく裏社会そのものを支配する勢いだ。
まだ、トップは猫様じゃないが、今の裏社会のトップは猫様を次のトップにすると宣言までしてる。だから、この街、いや、裏社会で猫様は絶対的支配者なんだよ。もちろん、幹部である漆黒の側近たちもな。』
「え、その猫様ってどんなひとなの?
というかそれは俺に関係あるの?
今まで通り生活していれば関係ないよね??
1人でなにかするのは学校とかバイトに行くくらいだよ?」
そう不安そうに俺に問いかけてくる凛太郎に
俺は、
『いや、この街に住むなら知っておかなきゃいけないことなんだよ。さっきも言っただろ?知らない、聞いてないはこの街では通用しないって。
それに、バイトするっていっても高校生は22時以降働けないんだぞ?それで学費払って、貯金までするなんて結構大変なんだが、どんなバイトするんだ?』
少し口調を強めに聞く俺に、
「そうか…結構お金かかるよね。時給が高いって言っても居酒屋くらいだろうし…学費払って貯金とまでなると難しいのか…うーん。」
1人でブツブツ言いながら悩み始めてしまった
凛太郎に俺は、
『俺の働くbarなら融通きかせられるが俺の働くbarで働くか?実はマスターには前もって話はしておいたんだ。』
別にバイトなんか何をしても、学費や生活費は俺が払うから貯金なんか出来るだろうが、1人にして何かに巻き込まれるくらいなら、俺の
目の届くところに置いておきたい。
「いいの?そうしようかな?勉強する時間も欲しいから、そこはマスターと相談しようと思うけど…」
『ああ、それはマスターと話せ。少しズレたが
この街のことの続き話すぞ?』
グウウウウウウウ
話を戻そうとした時凛太郎のお腹がなった。
「ごめん!朝と昼食べてなくて…!」
恥ずかしそうに腹を抑えていう凛太郎。
『少し早いけど、飯にするか!買い物明日する予定だったから、今日は簡単にパスタでもいいか?』
「うん!なんでも大丈夫!」
そこから2人で、パスタを作って食べた。
『腹ごしらえも終わったし話してもいいか?』
「うん、ごめん。よろしく」