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凍える千手観音

あぁ、寒い。ホッカイロが欲しい。かじかんだ私の手を温める物は何一つない。空には大きなお豆腐がある世界だ。ここは。それがもうなんだ、高野豆腐になっているじゃないか。こういう寒い日には手洗いうがいを忘れてはいけない。私の手洗いというのは私がいうのもなんだが、とても美しい。なんといっても千本も手があるのだ。織の外には、蛇口があり、死んでいる竹が私に水を運んでくるのだ。今、鳥がようこそと言った気がした。鳥にそんな事を言われるというのはひたすらに侵害だ。その台詞はどちらかと言えば私がお前に言う台詞だろう。喧嘩をするにしても、明らかに私が勝つだろう。だから何もしない。私は何も気づいていないような顔をして、裂開のベンチに腰を下ろす。よいしゃ。よいしゃというオリジナルの掛け声は一体、素晴らしい。何より可愛らしい響きが素敵ではないか。こういう事が日常の些事を煌めかせる。この香り高い秋の始まりに私は高鳴る事を辞めない。秋の空というのはそれだけで何かを見せてくれる、と思いたいが、意外と紅葉などで誤魔化されてはいないだろうか、なんというか自分の中で印象深かった空模様というのは夏か冬に多くあった気がする。なぜ、ベンチを支える金属は軒並み黒いんだ。あぁ、私は座りながら5本の手を使ってソーセージの袋を開ける。いいだろう。私は生物の中で唯一ソーセージの袋を大量の手で開ける事ができる。ソーセージというのは熱を通さないとあんまり美味しくならない。というか弁当の中に入っているソーセージは本当に王の名を欲しいままに出来るほど美味しく感じるが、食卓に並んだが最後、だいたいの料理に敗北を喫するのは、大概滑稽だねぇ。私もそんな君を愛する事ができればいいが、君は私にそんなに気を使う必要はないからね、でも、少しくらいは気を使ってくれたなら嬉しいなぁ。ヨットに乗ろうか。マジで爆速のヨットというものを皆様にお見せしよう。手というものは、やはり、鍛えないとひょろひょろになる。例えば、私はたまにびっくりするほど痩せ細った自分の手と遭遇する事がある。あれは怖い。さらに、言うと寝ている時に変た姿勢になっていたりすると、これはもう事実上の死だ。明らかに感覚がなくなってはいるが、それがどの腕なのかわからない。なんでこんなデザインにしたのだろうか。だからこそ、私はあまり眠りたくない。布団を叩くのは神速である。埃が数秒の後に、大量の埃が一瞬で舞う様を見た事があるだろうか?それはそれは神々しい物になる。太陽はいずれ、何者も飲み込んでしまうが、今はただ、布団を叩き、山の向こうのお前を見据えている。

途中、明らかに自分になっている時があります

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