第二歩
第二歩
あれから…たぶん一時間くらい…経ったが、本当に頭が混乱している。
どうして空を飛んでいたのか、どうして消えてしまったのか…。それと此処が何処なのか。とりあえず人を探しているが、見るのは人ではなく木だけ。うんざりだ。
…歩いた道は全て勘を頼りにしただけなんだけど。ちなみに左の道をずっと歩いている。何か感じる気がするから!…根拠はない!
ガサッ
「!?」
後ろの草木が少し揺れた。…誰かな?さっきみたいな空を飛ぶ不愉快な奴じゃなければいいのだけれど。
「…人?…魔鬼…?」
「は…?」
後ろに居た人。聞き覚えのある声。見覚えのある容姿。
…運命ってやつなんだろうな。
「夢夏…。」
「アンタが何で此処に?」
「こっちの台詞だ!…まさか魔鬼も遊楽郷に来ちゃうなんて。」
「そこら辺の話…詳しく。」
間違い無かった。天野夢夏…私の友達。
「何処から話せばいいかな
「私は…向こうだとどんな扱いなの?
「あ、そんな事は後ででもいいね
「ここは遊楽郷と呼ばれる世界。私たちが居た向こうとは別の…異世界って呼べばいいのかな
「…非現実的だけど現実なんだ。受け止めて。
「ここだと強くないと生きていけない。とりあえず私と一緒に来てくれ!
話しているうちに落ち着かなくなっていき、私の手を掴んだ。
「…一緒にってどこに?」
「来ればわかる!!」
走り出した夢夏を止めるのは不可能であった…。