第七夜・『先生のおとりよせ』(まんが×小説)
ほぼ全編ギャグである。まんがと小説のコラボである。
小説は榎田 ユウリ氏、まんがは中村 明日美子氏。榎田氏のことは寡聞にして知らなかったが、中村氏はこの本を買う前から知っていた。というか、ぶっちゃけファンである。
BLまんがの御大家、中村 明日美子氏! 有名どころの『同級生』シリーズはアニメ映画化もされるそうだし、DVD発売が楽しみである。
で、中村氏のまんが目当てで購入した、この『先生のおとりよせ』。中にはさまってたチラシはばりっばりのBLモードでちょっと気圧されてしまったが、内容は男性でも気楽に笑えるあほギャグである。
なんせ『巨乳好き小説家』と『オネエ漫画家』が互いの小説とまんがでコラボしつつ、それぞれのおとりよせに舌鼓を打つ、という内容。おいしそうだし、面白い。
またこの小説家、榎村の乳好きっぷりがハンパじゃないのである。最初迷ってたコラボ話を、出版社の編集長が巨乳だというだけで「やります」と即答。オネエ漫画家、中田もなかなかのもので、言動まるきりオネエなのに『女王様好き』で、編集長の女王様風味の見た目につられて、最初迷ってたコラボ話を「やります」と即答。ようするに似た者同士である。
とにかく終始このノリで、おいしいおとりよせに絡めて話を展開していくのである。面白いはずしかない!!(by榎村)。
初めはまんが目当てだったが、榎田氏の小説もなかなかどうして。大文字とか字体変換とかやたら多くて、全然期待してなかったけど読んでみると笑える笑える。ちょっと見慣れると、また大文字や字体が絶妙なのである。読んでいて何度も吹き出してしまった。
そしてこの小説、単に笑えるだけではない。八話目はちょっと毛色が違って、中田の曾祖母が亡くなる話である。ラストの展開に、思わず涙ぐんでしまった(まあ、涙腺はだいぶ緩い方だけど;)
だいぶ前、風邪でへばってる弟に、この本を差し入れしたことがある。めっちゃ引くと思うので、BLばりばりのチラシを抜き取り、念のために帯も外して。一通り目を通してくれたらしく、読後に「どうだった?」と感想を聞くと、「おっぱい……」と榎村になって感想(?)を返してくれた。
そんなこんなで、この通り(伝わったかな?)ぜひ男性にも読んで笑ってほしい作品である。続きとか出たらほしいなあ……。 (了)