第六夜・『揚げたてもちもちドーナツミックス』(おやつ)
この間、叔母にドーナツの粉をいただいた。
「昭和産業」とやらの『揚げたてもちもちドーナツミックス』。すごく簡単に出来るらしい。しばらく放置しておいたが、本日思い立って、こいつを作って食してみた。
が、出だしで早くもつまづいた。原因は材料のひとつ、卵。Mサイズを使うのと、Lサイズを使うのとでは使う水の量が違うらしいが、冷蔵庫にいた卵がMなのかLなのか分からない。
「まあ……Lサイズ? お前Lサイズだよな……」などと卵に語りかけながら、バターをレンジでチンして溶かす。これも適当である。だって『溶かしバター大さじ1』とか書いてあるけど、初手のバターはもちろん固形なのである。これだと溶かした状態の『大さじ1』が計れない。思いっきり目分量でバターを大さじでえぐり取り、一分ほどレンジでチン。改めて計量し直すでもなく、溶き卵と、大さじ2強(これも適当)の水を入れたボウルにイン。
その後ドーナツの粉を一袋(一箱に二袋入っている)、少しずつ混ぜていく。三分の一ほど残ったところで、「もう全部入れちゃっていいよな……」とどっさり投入。
ああっ? しまった、粉こながうまく混ざらない。やっぱり残り全部を投入したのは間違いだったか……うわっ! 説明書に『ヘラで混ぜ合わせます』って書いてある! めっちゃ割りバシでかき回してたよどうしよう! 『生地が一つにまとまったら、10~20回手でこねます』って一向にまとまらねぇよ! 失敗だ!
とかちょっとパニックになりながら、改めてヘラでぐるぐる。やっぱりきれいにまとまらないのを、無理矢理に手でこねてまとめてみる。何とか形になったところで、丸く成形。
う~ん、なんか……箱の写真はきれいに丸くなってるのに、これは何か見た目に『柔らかい岩』みたいだ……。
(失敗したな……)と黄昏ながら、180℃の油で揚げる。おおっ? 揚がるにつれて、だんだん丸くなってきたぞ! 一部岩のままのところもあるが、これはもしかしてイケるやも……?
とか思いながら油から次々すくう。作り始めからここまでくるのに三十分弱くらい(多分)。揚げたてを母と一緒に食べてみた。
「おおっ? けっこうウマい!」
「甘さひかえめでいいね~」
とか言いながら、二人で食しきってしまった。ちょっと甘さが足りなかったので、わたしは苺ジャムとシナモンパウダーを少量つけながら食べた。
途中ちょいちょい『失敗したかも!』と思いながら作ったが、そこそこのものが作れて満足。よく見ると『親子で楽しく、おいしく!』とか書かれているし、小っちゃいお子さんのいるご家庭でやってみてもいいかもしれない。
ただ、このドーナツ揚げたてはもちもちだったが、冷めるとどうなるかは分からない(熱いうちに食べきっちゃったから……)。
あと一袋は冷ましてから食べてみようか、とかちょっと考えつつ(おそらくまた熱いうちに食べちゃうだろうな)と思っている今日この頃なのである。
(了)