未来を変える
どうも
ちょっと説明話かもです。
では
公立日和台第二高校は町の丘のてっぺんにある、地域ではそこそこの進学校である。毎年国公立大学の合格者がいて、有名私立にも強い。
部活も盛んでサッカー部はこの前全国大会にあと一歩でいけなかったとか一之瀬君言ってたな。私は確かに文武両道もこの高校の良さだけれど、なんせテニスコートがたくさんあって、しかも2面は最近できた人工芝コート。テニスが好きな私はそこも好きだ。高校に行く最後の坂にはきれいな桜が咲き・・・文句ない設備が整っているのだが、学校にいる私はきれいなドールハウスに入れられただけのふぬけた人間になっている。
高校に入学したころはすべてがキラキラひかって見えた。きっと部活で活躍して、成績もこの高校に入ってしまえばなんとなくいい大学に進学できるだろうし、いいスタートが切れるはず。イエス!高校デビュー!・・・なんてのはホントできる人は数名なんだろうと最近になって分かってきたような。テニス部の同級生は中学時代に強かった他校の人が何人か入部していた。私も中学では1番手つまり1番強かった。つまり、へたくそではなかったがさすがに地区大会ベスト○○のような人間ではなかった。2年4月下旬の現在は部内4~6位つまり試合に出たり出なかったりポジションである。学力も平均点くらい。さすが高校である。教科は多いし、難しいし、試験範囲は尋常じゃないし。平均点にいる自分が不思議なくらいだ。
こんな微妙な高校生活は一度に一度の人生に相応しくない!なんかおもしろいことないかなと思っていた1年の11月。昼休みに、あるクラスメートから声をかけられた。
「石川・・・海華さん。もしよかったら、よかったらでいいんだけど・・・生徒会の体育委員長やらない?」
長い黒髪が似合う大人びた顔。が、背は低く声は子供っぽい女の子にそう告げられた。
「へ?私?なんで?バスケ部の山田とかのほうが体育できるし。」
「石川~呼んだか~」
教室の後ろでおっさんが叫んでるよ。名前出さなきゃよかったと反省。
「いや、実はほかの生徒会役員のポストは決まってるんだけど、体育委員長が決まっていないのよ。で、男女比のバランス考えたら女子が適任かな~しかも勉強もそこそこできる人を探していた。ズバリ!石川さんピッタリじゃない?」
「私はそんなにできた人じゃないし。」
飲んでいたイチゴ牛乳の紙パックをちうちう吸いながら話半分で聞いていた。
「石川さん、前の文化祭の実行委員の時クラス盛り上げてくれたし、そういう人を募集中なの。お願い!」
1年の中でも半分以上過ぎているがあまり話したことのない女の子から頼みごとをされるのも変な感覚だ。
「そこまで言うなら考えておく。けどイエスと答える確率は20%ってとこね。」
「頼むよっ。石川さん。」
私は残っていたイチゴ牛乳を飲みほし、さらに吸って紙パックをペチャンコにした。
「どうしますかねぇ。」
部活の帰り道、ため息をつきながらジュースでも買おうとコンビニに入る。生徒会なんかに入ったら間違いなく部活で試合に出る機会減ってくるだろうし、勉強も大丈夫とはとても言えない成績だ。だし、文化祭実行委員のように楽しいイベントのために活躍するわけじゃないし・・・ぶつぶつ
「石川お疲れ。部活帰りか。」
「あっ、・・・宮瀬」
前の文化祭の実行委員で一組の実行委員が宮瀬大樹。結構実行委員の中では話していたし、廊下でもすれ違うとたまに「おっす」みたいな関係でいた。宮瀬から部活終わりの人間が使うデオドラントの香りが漂う。まあ人のことは言えないが。
「竹内から聞いたぞ。生徒会入るんやろ。すんません~肉まん1つお願いします。」
「なぜ、入ってることで話が進行してるの?」
「え?違うんかいな。」
店内にいるのも迷惑なので二人でコンビニの外に出る。うまそうな肉まん。私もそっちにすればよかった。
「で、どうなのよ。」
「思案中よ。ってかなんであんたが知ってんのよ。」
「俺今度の清掃委員長だから。」
「っぷぷ・・・あはははは」
コンビニの前で大笑いしてしまった。
「なんだよ!」
「だって・・宮瀬が清掃?・・・あははは」
「うっせえな。これでも掃除当番休んだことないんだぞ。」
そんなことで決まるの?軽いなあ。この高校の生徒会上層部は。
「ごめんごめん。でもなんで生徒会に入るのよ。しかも清掃なんてめんどうなこと。」
「面白そうだから。」
ちょっとドキッとした。ビックリ・・・ではなかった。
「だって生徒会だぜ。体育祭も文化祭も、校内駅伝なんかも自分たちで企画できるし。」
「で、でも部活とか勉強どうすんのよ。」
「バレー部のみんなにはちゃんと練習して迷惑かけないって話して納得してもらったし、俺も自主練増やせばいいだけだもん。勉強はまあなんとかなるよ。それよりもみんなと同じ高校生活よりも変わってたほうがいいじゃん。」
「前向きなんやなぁ。」
「それが俺の取り柄やからな。石川もやろうや。おまえなら大丈夫ちゃうか?」
「・・・考えとく。宮瀬、ありがと。」
「なんじゃそりゃ。じゃあな。」
コンビニのゴミ箱に肉まんの紙を捨て、宮瀬は去っていった。
あのクラスメート・・・えっと竹内さんだっけ。彼女に「適任よ」といってもらった時より、うれしかった。最近下がり気分だったけど、あったかい気持ちになった。なんでだろう。「おまえなら大丈夫」か・・・口に出してちょっと照れてしまった。
そうだよね。1度きりの高校生活だもん。こんな微妙な世界より、いっそチャレンジしてみよっかな。うん!
3週間後、49代目生徒会が発足した。
顧問 吉田一徹
会長 黒川未来 2年
副会長 橘元気 1年
書記 畑一葉 2年
風紀 竹内紅葉 2年
清掃 宮瀬大樹 2年
図書 一之瀬誠 2年
放送 山口栞 1年
そして・・・
体育 石川海華 2年
12月寒い日の発足だった。
どうでしょうか。
まだまだ未熟です。
地道にがんばっていきます。
それでは。




