番外編『堕ちた者の運命』
番外編『堕ちた者の運命』
『カイルがティントルテンを訪ねてやって来ている』
その報せは、アルゼンの心を妙に震わせた。
クロックや他の使用人の話では、現在、アルヴィスは不在だとのこと。
「それはつまり…」
(人肌恋しさに、おじ上に会いに来ている!?)
いや、そんなバカなと首を振りつつも、
(まさか『おじ上×カイル』では…!?)
そんな妄想が頭をよぎってしまう。
「私は一体どうしたんだ…」
ふらふらとベッドに横たわると、アルヴィスとカイルのぬいぐるみが目の前にあった。
手を伸ばし、ぬいぐるみ同士をキスさせる。
「はっ!何をしているんだ!?」
アルゼンは自分が分からない恐怖心で、ぬいぐるみを思いっきり投げてしまった。
「ああっ!すまない…」
投げてしまった二つのぬいぐるみのうち、カイルだけを持ち上げると、丁寧に枕に寝かせ、布団をかける。
そして、窓の外から見える本邸を眺める。
「カイルは今頃、おじ上に抱かれ……」
そこまで言葉を発して咄嗟に口をつぐんだ。
「違う!違うんだぁぁ!!」
再びベッドに顔を埋めると、先程布団をかけたカイルぬいぐるみが目に入る。
手に取り、ズボンを脱がせ……
「うわぁっ!私は何をしているんだ!」
我に返り、ぬいぐるみを布団の中に押し込んだ。
「これは…まさかエドワード殿下が言っていた魅了か!?そんなはずはないとバカにしていたが…、まさか本当だったのか…?」
それならば納得がいく。
「これは不可抗力だ」
そう言いながら、禁断のプリ剣本に手を伸ばし、鼻息荒く読み始めるのだった。




