番外編『教会下の秘密組織』
番外編『教会下の秘密組織』
辺境の町の小さい教会には、地下に市民が自由に使える集会所がある。
そこに、多数うごめく人影が…。
「プリ剣は尊い!しかし!他にも尊いカプはこの世には溢れている!皆の萌えを爆発させよう!」
「オーーーーー!!!」
沸き上がる熱気、狂気、情熱。
『秘密組織』とはよく言ったものだ。
彼らはただの『萌え発掘隊』、つまり、オタクの集まりだ。
その中心にはもちろん…
「みんなの萌え話たのしみー!聞かせてぇ!」
両手を広げてブンブンと振り回し、興奮を隠せずに瞳をらんらんと輝かせているミナが…。
「はいはいはい!」
冒険者の一人が手を挙げた。
「ティントルテン伯爵とそのお側仕えのミリアちゃん!どうですか!?」
つい最近、冒険者ギルドにティントルテンがメイドの獣人、ミリアを連れてやって来た時、膝に乗せてミリアの長い耳を愛でていた。
「あの光景は最高にキュンキュンしましたー」
冒険者の主張に、一同は頷く。
しかし、
「それは普通すぎるんじゃないかい?」
酒場の女将さんが名乗りを上げた。
「あたいはね、ギルマスと副ギルマスを推すよ!」
「渋〜い!それ最っ高にエモ〜い!」
酒場の女将に同調するように声が上がる。
「待ってくれ!忘れちゃいけない、アルヴィス×エドワード!」
「それは邪道じゃー!」
もう誰が誰だか分からない話し合いが進む。
「邪道とか言っちゃダメだよ!」
ミナが高らかに声を上げた。
「ここはみんなの萌え共有場所だよ?萌えはそれぞれ!尊重し合う…だって、これ自体が尊い…♡」
ミナがうっとりと両頬を手の平で包み込むと、歓喜のあまり地下室が震えた。
-萌ゆる者 推しも尊も 全てよし
みんな違って みんないい-
By、ミナ
「…………。なに、こいつら…?」
たまたま物を取りに来ていたカイルが呟いた。




