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第28章

第28章

ティントルテンのアルゼンへの嫌がらせ。


1、アルゼンの部屋を幼女の部屋のような、ピンクとフリルとリボンで統一。


「な、なかなか可愛い…趣味ですね。私も…か、可愛いのは…大好き…です」

アルゼンの顔が引きつっている。


2、食事を強制的に一緒にとって、ミリアとのイチャイチャを見せ付ける。


「ミリア、はい、あーん♡」

「あーん!」


「な、仲が、とても、良いのですね…」

アルゼンは引いている。


3、他の使用人とのイチャイチャも見せ付ける。


「ダンは今日も男前だな!」

「尻を揉まないでください!セクハラですよ!」


「は、は、はははははは……」

アルゼンは顔を引きつらせながら愛想笑いをしている。



「と、まぁ、今している嫌がらせはこんな感じだ」


「ちっさ!」


あまりにも小規模な嫌がらせに、レオは思わず叫んだ。


「嫌がらせなら、これをあげてください」


カイルは黒地に金の箔押しの箱をティントルテンに渡す。


「ちょっ、その箱!ダメーー!」


アルヴィスが必死に止めに入るが、


「ほう、スカートか。今流行っているし丁度いいな」


と、ご満悦なティントルテンの手に渡ってしまった。


「め、盟約衣が…」


泣き崩れるアルヴィスの残念な姿を、ミナはしっかり書き記す。


「泣き顔エモ…♡」


屋敷に戻ったティントルテンは、カイルから貰った箱を早速アルゼンに渡す。


「今、町で流行っているんだ」


アルゼンは箱を開けて驚愕する。

黒いレースがゴテゴテにあしらわれたミニスカートが入っていたからだ。


「じょ、女性の間で…ですよね?」


アルゼンは思わず確認する。


「いや?男性の間で流行っているぞ?」


サラリと言いのけるティントルテンは、アルゼンの表情を見て、口元を手で覆いながら笑いを堪えた。


「そうそう、いつも中にいて暇だろう。本でも読むといい。勉強にもなるしな」


と、ティントルテンはアルゼンを図書室へ案内する。

エリオスが伝言通りに、プリ剣本を目立つ場所に収納していてくれていた。


アルゼンはそのプリ剣本を見て、顔を青くする。


(なぜこの本がここに!?そうか、おじ上は発禁になったのを知らないのか…。見つかったらおじ上はおしまいだ…。芋づる的に、私も終わってしまう!)


「おじ上…」


アルゼンは声を低くし、ティントルテンに忠告した。


「あの本は発禁になっていますよ…。どうか処分を…」


しかし、ティントルテンはあっけらかんと返した。


「大丈夫さ。誰もこんな所には来ないだろう?」


……確かに。

妙に納得してしまうが、アルゼンはティントルテンの身を案じて仕方なかった。

のは建前で、自分の身を案じて仕方なかった。


(頼むから捨てて欲しい…。なんて恐ろしい本なんだ…。見つかったら即処刑ものだぞ…!)


プリ剣本を見てブルブル震えているアルゼンを見たティントルテンは、このまま放っておいても問題ないと判断し、アルゼンを隣の別宅に移した。

使用人は人間を配置し、アルゼンのいなくなった本邸では、獣人が耳や尻尾を自由に出せるようになり、平和が訪れた。


「うんうん。やっぱりもふもふじゃないとね」


満足そうに頷きながら、魔王への返信を書く。

アルゼンはどうせ別宅から出てこないだろうから…


「いつでもお越しください。お待ちしております…っと」


鼻歌混じりにキュロスに手紙を託した。


別宅に引きこもり、更に暇になったアルゼンは、プリ剣本を手に取っていた。


「いや、これは再確認だ。殿下の手前、パラパラとしか内容を見ずに危険思想だなんて言ってしまったからな」


それに、アルゼンには気になることがあった。


「夢魔は…あの魔王よりも…惹き付けられる存在なのか…?」


恐る恐るページを捲る。


「なんだ。ただのそこら辺にいそうな男じゃないか…」


しかし、アルヴィスとの絡みが始まるとその可愛らしさに目を奪われる。


「そこでそんなにキツイことを言うのか…?アルヴィス殿下が可哀想…って、照れてる!あのセリフは照れ隠し!?」



☆アルゼンのプリ剣感想☆

ただイチャイチャしてるだけの他愛もない内容だった。

しかし、エドワード殿下なら激怒するだろう。

アルヴィス殿下の残念なイケメンっぷりが際立つが、カイルのその言動に対する態度が…なんと言うか…キツイ物言いの中に愛を感じた…(全年齢版の感想)


これはあくまで確認だ!

今のところ、発禁はやり過ぎたかと…そう思う…。

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