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追い詰められた獣



「カティア…大丈夫かしら」


カティアはそんじょそこらの奴らでは太刀打ちできない程に腕が立つと把握しているフェリーツェだが、怪我などしていないか心配して窓の外を見る。

広く豪華な部屋に1人でいると、つい悪い方向に思考が傾いてしまいそうになった。


(ううん、カティアを信じよう)


きっと大丈夫だとフェリーツェは頭を振る。

と、そんなフェリーツェの耳に扉をノックする音が届いた。


ーーコンコンコン


「はい」


ユーリが来てくれたのだと思い、華やぎながら直ぐに返事をする。

部屋には予め衝立てを備え付けてくれていたので見えないが、カチャリという音で扉が開いたのは分かった。

けれど、人が来たのは間違いないのに何の言葉も掛けられない。

無言で入室してきた事を不思議に思ってフェリーツェは首を傾げた。


「…?ユーリ様?」


この部屋に来るのなんてユーリくらいの筈なのに、どうにも様子がおかしい。

嫌な予感がして衝立てから目を離さずに一歩後ずさるフェリーツェ。


すると、突然衝立ての端を男の手がガッと掴んだ。

その手を基点にヌッと顔が出される。


「やぁ、フェリーツェ嬢」


「ひ…っ!」


思わずフェリーツェは小さく悲鳴をあげた。

衝立ての横から顔を出したのは、不気味な笑みを作ったホアノだったからだ。

恐怖のあまりガタガタと震えてしまう。


「ど…どうやって…ここに…」


キナードは警備を固めると言っていた。

それなのに一体どうやってここへ来たのかと疑問を口にする。

フェリーツェに聞かれ、ホアノは可笑しそうに笑った。


「ハハハハ!どうも何も、普通に来たさ!忘れたのかい?僕は侯爵家の嫡男だ。誰が僕を止めるって言うんだい?」


「…!」


言われてみれば、警備兵が夜会にも招待されている貴族を不審に思う筈がない。

会場に居た者以外はホアノが仕出かした事も知らないし、王族以外の立ち入りを制限されている場所でもない限り城内を練り歩いても誰も気に留めないのだ。


「僕はね、君と違って城で開かれる催しにも何度も参加しているんだ。いわば顔が知れてるんだよ。この場所だって、『シュナイゼル卿に挨拶したいんだが、どこにいるか知らないか?』と使用人に聞いたらあっさりと教えてくれたよ」


「そん…な…」


身元も分かっている貴族に尋ねられたなら、不審に思わず答えてしまっても確かにおかしくない。

まさかこんなに堂々と現れるなんてとフェリーツェはまた一歩後ずさった。


「まあ、さすがに君が1人で先に部屋へ戻るかは賭けだったけどね。どうやら天は僕に味方してくれたようだ。やはりシュナイゼル卿なんかより、僕と結ばれるべきなんだよ」


勝ち誇ったように笑うホアノ。

ひとしきり笑ってから、顔を傾けてホアノはフェリーツェに瞳孔の開いた目を向けた。


「さあ、取り戻させてもらうよ。僕の名誉と…君をね」


ぞわりと悪寒が走る。

ユーリの婚約者だと分かって尚、ホアノは諦めてくれないというのか。

フェリーツェは震えながらも果敢に抵抗を試みた。


「わ、私はユーリ様と婚約してます!貴方と結婚なんて、ユーリ様が許すはずありせん…!」


少しでもホアノが怯むようにと、敢えてユーリの名を強調して言う。

だが、ホアノに響くことはなかった。


「それはどうかな?君が僕と肉体関係を持ったとしても、彼は君を手放さないと思うかい?」


「……ぇ…?」


何を言っているのか、理解できない。

ホアノが一歩を踏み出し、フェリーツェは一歩下がった。


「フェリーツェ嬢と僕が同衾しているところを、彼に目撃させるんだ。そうしたら彼は僕の言葉の方が本当だったと思い直すだろう?婚約だって破棄する筈だ。他の者達もまた尻尾を振ってくるだろうな。そして君は僕と結婚するしかなくなる。素晴らしい案だと思わないか?」


あまりにも杜撰で、成功する筈のない計画。

正常な判断ができる状態ならそれにも気付けただろう。

だが今のホアノの目は、とても正気であるようには見えなかった。

追い詰められ半狂乱になっているのかもしれない。


「さあ、大人しくしてくれフェリーツェ嬢」


にじり寄り、手を伸ばしてくるホアノ。


「大丈夫。痛いのは最初だけさ」


「っ…!」


狂気じみた笑顔で近付いてくるホアノを見て、逃げなければとフェリーツェは決起した。

自分にはユーリがいるという想いが、恐怖に支配された体を突き動かす。

咄嗟にマジックバッグから布を引っ張り出して投げつけた。


「ブリーズ ダンス!」


「ぶわっ!何だ!?」


風魔法を発動し、緻密な操作で布をホアノの顔に巻き付ける。

急に視界を奪われてホアノが混乱している間に、フェリーツェはユーリに向けてある物を残した。

それから窓を開け放ちベランダに飛び出す。


「っ」


2階とはいえ落ちたらタダでは済まない高さに怯むフェリーツェ。

けれども立ち止まってはいられないと覚悟を決める。


ーーバッ


フェリーツェはマジックバッグから1枚の衝立てを取り出した。

女性の力でも設置しやすいようにと軽い素材で作ってくれた物だ。

その上に四つん這いで乗るような形で、ベランダから飛び降りる。


「エア クッション!」


フェリーツェの魔力では浮き上がるほどの上昇気流は起こせないが、衝立ての下に上手く風を集めて出来る限り落下のスピードを落とした。

傾きもせずフワリと板が地面に到達した事で、怪我なく外に出られる。


「っ、待て!!」


布を剥ぎ取ったホアノが外に脱出したフェリーツェを見て血相を変え叫んだ。

迷いもせずに手摺りに足を掛ける。


(え…!?)


急いで衝立てをマジックバッグに仕舞っていたフェリーツェは目を疑った。

ホアノがそのまま飛び降りてきたからだ。

ダンッと綺麗でもない姿勢で地面に着地する。


「逃げては困るな?フェリーツェ嬢」


恐らく痛めたのであろう足をズリ…と引き摺りながら近付いてくるホアノ。

痛覚を失ったかのように笑みのまま向かってくるホアノに、フェリーツェはより狂気を感じて青褪める。

捕まれば一巻の終わりだと思い、ホアノと逆方に脇目も振らず走り出した。







「それにしてもユーリ、見事な溺愛ぶりだな。話には聞いていたがお前のそんな姿を見られるなんて思わなかったぞ」


挨拶に来たユーリに笑いながら言ったのはジークマイヤー。

それなりの付き合いになる相手だけに僅かに羞恥が滲み、ユーリはこほんと咳払いした。


「まあ…そうですね。自分でもこんなに歯止めが効かなくなるなんて思いませんでした」


「なに、良いことじゃないか。今後も仲睦まじくいられるよう努めるんだぞ」


「はい」


ジークマイヤーの言葉に躊躇いなく答える。

本当に変わったなとジークマイヤーは微笑ましく眺めた。

と、そんな2人に切羽詰まった声が掛かる。


「ご歓談中のところ失礼します!ユーリ様」


会話に割り込んでまでやって来たのはキナードだ。

その顔を見て只事ではないと察したユーリが直ぐに耳を貸す。

会場の貴族達に混乱を招かないようキナードは小声で内容を伝え、聞いたユーリも顔色を変えてジークマイヤーに声を潜め報告した。


「殿下、城に侵入者が現れたそうです。城外へ逃走した為、伯爵家の使用人が跡を追っていると」


「なに、まことか?わかった。直ぐに兵達を手配しよう」


「お願いします。私は心配なので婚約者の元へ」


「ああ、そうしてやれ」


慌てる素振りなど一切見せず即時行動に移す2人。

澄まし顔のまま颯爽と会場から離れた為、貴族達も不審に思わず夜会を楽しんでいる。

流石だと改めて畏敬の念を抱きながらキナードはユーリの後に続いた。


「フェリーツェは?」


「休憩室で待機してもらっています。警備の者にも怪しい者が近付かないよう改めて伝えました」


「わかった」


頷いて休憩室へ急ぐユーリ。

1人では不安だろうと気も逸る。

早足で廊下を進み、短時間で休憩室へと辿り着いた。


ーーコンコンコン ガチャ


「フェリーツェ、待たせてすまない」


扉をノックして直ぐさまユーリは声を掛ける。

しかし、室内はしんと静まりかえっていて返事も無い。


「…フェリーツェ?」


衝立ての向こうに居るはずのフェリーツェにもう一度呼び掛ける。

けれどやはり返事は無く、嫌な予感がしたユーリはバッと衝立ての奥を確認した。


「! いない…?」


ユーリの言葉を聞いてキナードも室内を確かめる。

部屋中のどこにも人の気配は無く、完全にもぬけの殻だった。


「おかしいですね。確かに部屋で待機するようお願いしたんですが…。それに、男性も多く居るのに1人で出歩く筈ありませんよね?」


「ああ」


ユーリも同じように考え、もう一度部屋を見回す。

と、床に何かが転がっているのが目に入った。

それを見た瞬間に何があったのか悟る。


「あの……クソ令息が!!」


「ユーリ様!?」


開け放たれた窓に向かって走ったユーリに驚くキナード。

そしてキナードも、ユーリが見た物に気付いた。


「!」


そこにあったのは、フェリーツェが作った手人形。

フェリーツェ人形の上にオオカミ人形が覆い被さる状態で置かれていた。

それが何を意味しているかなんて、考えずとも分かる。

ユーリが激昂するのは当然だった。


「クリエーション・アイスベルグ!」


ーーパキパキッ


魔法を行使し、ユーリはベランダまでの高さに氷の山を形成する。

飛び乗って滑り降り、フェリーツェが逃げたであろう方向へと駆け出した。

キナードも同じように滑り降り、ユーリとは違い城の入り口方向へと走る。


「緊急事態です!力を貸してください!」


キナードが言葉を掛けたのは警備兵達だ。

その場で即簡潔に事情を説明する。

キナードが公爵家の執事であると把握している警備兵達も加わり、フェリーツェを皆で捜索し始めた。







「はぁ…はぁ…」


その頃、フェリーツェは必死に逃げ続けていた。

ホアノが足を怪我した事が幸いし直ぐ捕まることはなかったものの、執念で追ってきており振り切れない。

持久力があるわけでもなく、ましてドレス姿で走っているフェリーツェはどんどんとスピードが落ちていた。

逃げ切るどころか徐々に追いつかれ始める。


「そろそろ諦めろフェリーツェ嬢!」


「…っ」


せめて人が居ないか見回すが、フェリーツェが逃げてきてしまった広い庭園には誰の姿も見当たらない。

貴族の多くいる会場周辺の警備を厳重にしていた為、庭園の方の警備は手薄だったのだ。

城の扉側へ逃げるべきだったと後悔するがもう遅い。

しかもフェリーツェは王城の庭園に来た事もなかったので道に迷ってしまっていた。

辺りは暗いし、どこにどう逃げれば良いのかも分からない。


「誰…か!助けて…!」


息を切らしながら声を張り上げてみる。

けれど誰もいない暗闇に声は溶けて消えていくばかりだ。

そして直後、フェリーツェは更に追い詰められた。


ーーポキンッ


「あ…っ」


走り過ぎたことでヒールが折れてしまったのだ。

バランスを崩し転んでしまう。

チャンスが訪れ口の端を上げるホアノ。


「もう逃げられないぞ?観念するんだ」


「こ、来ないで…!」


一気に距離を詰められ、フェリーツェはどうにかしなければとマジックバッグを漁る。

衝立てを取り出しながら立ち上がり、迫るホアノの手を防いだ。


「こんな物でどうにかできると思ってるのか!?」


ホアノは直ぐに衝立てのサイドから回り込もうとする。

だがフェリーツェも諦めず、ホアノの動きに合わせて衝立てごと回転し防ぎ続けた。

大きな盾で身を守っているような形だ。

衝立てを寄せられれば同じ方に逃げ、引っ張られても敢えて衝立てに張り付きホアノとの間に仕切りがある状態を上手く保つ。


「この…っ」


足の怪我で俊敏に動けないホアノは思いのほか衝立てを奪えず腹が立った。

フェリーツェに触れたいのにどうしても触れられず、苛立ちがピークに達する。

ついには自身が得意としている火魔法を発動した。


「いい加減にしろ!インシネレーター ショット!」


「きゃあ!」


視界が炎でいっぱいになり驚いて転ぶフェリーツェ。

ホアノを防いでいた衝立てが一気に燃え上がり、暗い庭園が炎の明かりで照らされる。

フェリーツェが巻き込まれてもおかしくないような危険な攻撃だった。


「あまり僕を怒らせないでくれるか?フェリーツェ嬢」


燃えて崩れ落ちる衝立ての奥から姿を現すホアノ。

赤い光に下から照射されるその姿はより一層の恐怖を掻き立てた。

もう一度何かでホアノを阻もうと、腰のリボンに隠しているマジックバッグへ手を伸ばす。

が、その手は宙を掴んだ。


「!?え…!?」


あった筈のマジックバッグが無く焦るフェリーツェ。

見回して愕然とした。

頼みの綱であるマジックバッグが、なんとホアノの足元に転がっている。

先程の攻防の際に落としてしまっていたのだ。

拾いに行く訳にもいかず、また走るしかないと立ち上がろうとする。


「っ、痛…!」


しかし、足首に痛みが走ってバランスを崩した。

転んだ際に捻ったらしく、上手く立ち上がる事が出来ない。

その間に目の前まで迫ってくるホアノ。


「ハハハ!ようやくだ。やっと君を手に入れられる…!」


フェリーツェは恐ろしくてずりずりと下がるが、その程度で逃げられる筈もない。

余裕を持ってホアノは手を伸ばした。


「さあ…僕の愛を受け取ってくれ、フェリーツェ嬢」


「い、嫌…」


怖くて怖くて、震えと涙が込み上げる。


こんな人に触れられたくない。

近付かれたくない。

それなのに身体が…動かない。


「…ユーリ…様…」


心がずっと追い求める。

触れられるようになりたいと思うのも、近付きたいと思うのも、1人だけだ。

この人なんかじゃない。


会ってみたい。

顔を合わせてみたい。

ちゃんと目を見て、好きだって伝えたい。


ホアノの手が届くか否かのところで、フェリーツェは力の限りに叫んだ。


「助けて!ユーリ様!!」


その声は…しっかりと想い人のところへ届いた。


「クリエーション・アイスウォール!」


ーーバキィン!


心が求めていた声が響き、フェリーツェとホアノを阻むように氷の壁が作られる。

「なっ何だ!?」とたじろぐホアノに向かう男性の姿が目に映った。

全力で振るわれた拳がホアノの顔面に直撃する。


「ぐは…っ!」


強い力で殴られ、意識を飛ばしながら地面に倒れ込むホアノ。

殴り飛ばしたその人が、フェリーツェに振り向いた。


「無事か!?フェリーツェ!」


まるでいつかの再現のように助けてくれたユーリ。

想いが一気に溢れ出す。

フェリーツェは挫いてない方の足で精一杯に地面を蹴った。


ーーぎゅっ


「!!」


殆ど倒れ込む形でユーリに抱きつくフェリーツェ。

男性恐怖症で衝立て無しでは近付くこともできなかった筈のフェリーツェに触れられ、ユーリは驚きのあまり硬直した。

けれど直ぐに抱きしめ返す。


初めて触れ合った身体は、なんだかとても温かく感じた。


「…すまない、フェリーツェ。怖かったろう?まさか、奴がここまで愚かだったとは…」


「いいえ…大丈夫です。ユーリ様が、来てくれたから…」


少し力を込めたフェリーツェに、応えるようにユーリも強く抱きしめる。

そんな2人のもとに、遅れてバタバタと警備兵が走ってきた。

即座にユーリが命令する。


「そいつが犯人だ。直ぐに連行しろ!」


「は!」


目線で指し示され、警備兵達が倒れているホアノを無理矢理に起こした。

両サイドで腕を持ち強制的に引き摺っていく。

遠ざかっていくホアノを見て、フェリーツェは安堵と共に足に力が入らなくなり座り込んだ。


「だ、大丈夫か?フェリーツェ」


「ご、ごめんなさい。安心したら力が抜けちゃって…」


抱きしめる手を離さず支え、ゆっくりと一緒に地面に座るユーリ。

ユーリの優しさにフェリーツェは心が癒やされていくようだった。


「…彼は、どうなるんでしょう?」


「城でこんな騒ぎを起こしたんだ。投獄され、侯爵家も取り潰されるだろうな。もう二度と、君に近付くことは出来ない筈だ」


ほっ…とフェリーツェは息を吐く。

そんなフェリーツェの肩に、ユーリは顔を埋めた。


「…フェリーツェ。君が生きていてくれて良かった。庭園に炎が見えた時、どれだけ肝を冷やしたか…」


ユーリの手が僅かに震えているのが分かる。

それ程にフェリーツェの身を案じてくれていたのだと伝わり、また心が温かくなった。


「ユーリ様…ありがとうございます」


フェリーツェもユーリに身を預けて目を閉じる。

ふたりきりの空間の中、存在を確かめ合うように抱きしめ続けた。

ふとユーリが、フェリーツェに願う。


「…フェリーツェ。君の姿を、見てもいいだろうか?」


「! は、はい…」


ユーリは少しだけ身体を離し、月明かりに照らされるフェリーツェを見る。

ホアノに追いかけられたせいで髪は乱れドレスも汚れてしまっていたが、自分の色を纏ってくれている事にただ嬉しさを感じた。

恥ずかしそうな表情も仕草も、全てが可愛くて仕方ない。

フェリーツェの愛らしさにユーリは自然と微笑んだ。


「綺麗だ…フェリーツェ。この目で見られて、とても嬉しい」


「ぼ、ボロボロになっちゃいましたけど…」


「その程度で君の魅力は色褪せないから大丈夫だ」


ユーリの言葉でボッと赤面するフェリーツェ。

アワアワしながらどうにか言葉を返す。


「ゆ、ユーリ様も…とても、素敵です…」


フェリーツェに褒められてユーリも頬を染めた。

ドキドキと互いの心音が耳に響く。


それから、ユーリはそっとフェリーツェの頬に手を添えた。


「…フェリーツェ。もう少し、触れても良いだろうか?」


「…はい…」


意図を理解して頷くフェリーツェ。

ユーリはゆっくりと顔を近付ける。


愛しい気持ちを溢れさせて、ふたりは唇を重ね合わせたのだった。




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