表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/75

レディ・カモミールの手記

 彼女はお姫様だった


 たくさんのお花に囲まれて


 妖精たちに愛されて


 そんな彼女はいつも輝いて見えた。


 体が弱くてすぐに倒れてしまう僕は


 どこにいても厄介がられる存在だった


 そんな僕に


 唯一笑いかけてくれてくれたのは


 彼女だった。


 お城を抜け出して


 美味しいスコーンや


 お茶を持ってきてくれる。


 あいつには近づくな


 絶対そう言われていたであろうのに


 いつも元気を運んでくれた。


 早く良くなりますように


 そう共に祈ってくれる。


 きっとこの笑顔がそばにあれば


 僕は強くなれると信じていた。


『大好きだ』


 その笑顔も笑い声も。


『大好きだ』


 優しく僕の名を呼ぶ彼女も。


 ふわりと香るカモミールの甘い香りも。


『大好きだ』


 僕のお姫様。


『大好きだよ、愛しのシルヴィ』


 そう言うと


 いつも彼女は笑ってくれたんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ