戦犯の息子
4階について戦犯であろう人物が見えた。
そこで、私達はパーカーのフードを被りつつ異能を消した。
「お前らは誰だ!」
そいつが焦ったように聞いてくる。
それに答える。
「お前を倒しにきた異能力者だよ」
「どうやってここを...!位置情報は錯乱させたというのに!」
「そんなもん異能で特定できるんだよ、何も知らない無能力者」
その陰の一言でそいつはたじろぐ、そう、こいつは無能力者だ。
みんなからは異能力者で情報錯乱の異能で情報を錯乱してるなどと言われていたが一般的なただの人間だ。
だから異能力者が攻めてきたら対処できないから位置情報を錯乱させたのだ。
「くそ...!」
そういってそいつは逃げようとするのを陰が捕まえる。
「逃さないぞ、ある程度の情報はいてから帰ってもらおうか、陽!」
「わかった!『強制』・『白状』」
この異能でこいつは私達の言うことに逆らえなくなる。
そうして陰が聞き終えてこいつを犯罪部に転送しようとするとこいつが
「息子だけはどうかお助けくださいあいつは何も関係ないんです...」
わけのわからないことを言い出した、こいつに息子がいたのか
陰も同じことを思ったようで
「お前に息子がいるのか?」
それを聞いた男はびっくりして言わなきゃよかったと言わんばかりの顔をした。
「おい、その息子はどこにいる」
男は嫌そうにしたが異能がかかっているので答えるしか無い。
「すぐそこに...」
その瞬間、窓ガラスを割って何かが飛び出していった。
「しまった!陽そいつを転送して追うぞ!」
「わかった!転送!」
そして、飛び出していった子供を追う、だが思ったよりも早く、屋根から屋根を飛んで移動している。
「早いな、異能力者っぽいな」
「父親は無能力者なのに」
そう言いつつ追いかけていくが思った以上に早く追いつけない、その時その子が振り返り私達と目があったそしてその子はスピードを上げて街に姿を消した。
「なんてやつだ」
「運がいいな」
ふたりともさっき異能を使ったばかりで早く走れなかったのだ。
「どうする?逃しちゃったけど」
「大丈夫だろ、私達の顔を知ってるわけじゃないんだしあの子が問題を起こしたら私達が解決すればいいだけだ」
「そうだな帰ろっか」
「うん、あ、奢ってよ」
「なんでだよ」
「お腹すいたしさっき約束した」
「そんな約束するんじゃなかった」
そんな会話をしながら私達は屋根から降りて帰路を辿っていた。
現在
「確かにあの子はまだ生きてたんだな」
「やっちゃったな、どうする?」
「どうするもなあ、でも、まだ渡君があの時の子だとは限らないしな」
「それもそうだな気長に行くか」
「というわけで奢れ」
「なんで?」
「個人練習に付き合ったら奢ってくれるって言ったじゃん」
「そんなこと言った?」
「言ったよ!嘘つくな!」
「はいはいわかったから大声出すな」
そう言って陰は面倒くさそうに食券販売機に歩いていった。
「何ほしいの?」
「カツカレー」
「朝ごはんなのに重っ」
「もう昼ごはんと一緒でいいよ」
「てか高いな、値上がりしてるじゃん」
「いうて、20円だけだろ早く買えよ」
「あーあ、あんな事言うんじゃなかった」
言いながら陰は食券を2つ買う。
結局陰も食べるんだ。
陰は食券を持っていってカツカレーを取ってくる。
片手に一個ずつ持っている。
え?嫌、片手に一個ずつはやばいw
「何やってんの陰w」
「え、運んでる」
「それは見てわかるけれどもw」
めっちゃ面白いw何やってんだこの人w
そうしてるうちに陰が片手においているトレーをゆっくりと机に乗せていく。
その光景がいつもの冷静な陰と違ってめちゃめちゃ面白かった。
私が静かに爆笑していると陰が
「置けたぞーさっさと食べて帰ろう、宿題やらなきゃ」
「あーそうだった...wwwwww」
さっきの光景が面白くて思い出し笑いをしてしまう。
陰が訝しげな目でこちらを見つめる。
「笑ってないでさっさと食べろおいてくぞ」
「わかったわかったもう笑わない笑わないぞ」
はぁと陰がため息をつくこんな感じでカツカレーを食べて私達は学校を出た。
「そういえばあとどれくらい宿題残ってた?」
「あと2週間しか無いのに全教科ゼロだよ」
「あー、終わったやつだ、ちなみに陰はどれくらい?」
「9割終わったよ」
「お願い手伝ってお願いお願いお願い...」
「お前にはプライドがないのかバカ」
「バカでもいいから手伝って!」
「わかったわかった手伝うから早く帰るぞ」
そして、改めて私達の夏休みが始まった(宿題だらけの...)