麗の異能
「麗の異能は戦神だ」
「戦神ってなんだ?」
「戦神っていうのは、文字どうり戦いの神なんだがこの異能は戰うときに興奮したり通常のときよりありえない力が出ること。っていう感じの異能だな」
へー、なんかよくわからないけど、
めっちゃ強くね?何戦いの神って?勝てるわけ無いじゃん、無理じゃん。
「じゃあ、お前その異能のこと知ってて私を戦わせたのか?」
そうだとしたらかなり最低だ。
「あー、知ってはいたんだがあいつ異能都市順位私達の次で2位だろ?だから行けると思って」
「確かにあいつ私達より順位も低いし異能グループの順位も低いもんな」
確かにそうだと思ったがじゃあなぜそんな強い異能を持っているのに私達に勝てないのだろうそれを思って陰に聞こうとしたが察したように陰が言った。
「私達の異能がやばすぎるんだよ。考えろバカ」
「めっちゃ腹立つ、バカはひどい」
「事実なんだから仕方がない」
「てか、そんなに異能やばい?」
「どう考えてもやばいだろ」
「じゃあなんでさっき逃げろって言ったんだよ!」
「反射的に!」
「何だその理由!」
醜い姉妹喧嘩が始まった。
じぶんでもしょうもないなあと思うのだが始まったものは止められない。
「あまり麗より強いところを見せたら麗が探し出すだろだから戦神で逃げたから麗より弱いってことにしておこうって思ったんだよ!」
「じゃあさいしょっから逃げろよ!」
「霧麗家の何恥じるだろ!」
「だからさっきから何だその理由!」
すごく大きな声で騒いでいると私達の耳に小さい話し声が入ってきた。
その瞬間、陰と私はさっきまでのが嘘のように静かに耳を済ませる。数秒の静寂のうち。
「4階に誰か居るな」
「ああ多分男かな」
「男二人?」
「いや、話してたのは2人だけど気配的に5,6は居る」
「警備員か何かかな」
「そうだな一応気配消してよ陰」
「わかった」
そう言って陰は『死滅』を発動させ私達の気配を消した。
そうしてゆっくりと階段を登っていく。
上がってそこにいたのはやはり警備員らしい男たち人数は6人かなり武装している。
『結構武装してるな』
陰が異能で声を消しながら私にしか分からないように言ってくる。
それに私も返す。
『そうだなどうする?』
『異能でバレないように通過してもいいけど、後で上に行って戦ったとき応戦で来られたら面倒くさいからここで倒してく』
『どっちが?』
『そりゃもちろん陽だろ』
『さっき私戦った』
『でも負けたじゃん』
『だから何?しかも負けてないし』
『ここは妹がするべきだ』
『いや姉のほうがするべきでしょ』
『陽だろ!』
『嫌陰だろ!』
「陽だろ!」
「陰だよ!」
その瞬間ふたりとも気づいた、喧嘩していて気が抜けて異能が切れて大声で叫んでしまった。
陰は慌ててもう一度異能をかけようとしたがもう遅い、男たちが一斉に銃をこちらに向けてきた。
「あーあ、陰やっちゃったねー」
「うるせえとりあえずどうするんだこの状況」
「陰行ける?」
「異能使ったばっかだから魔力無い」
「ったく一回貸しな、なんか奢れよ」
そう言って私は異能を使って男たちの目の前まで迫る。
男たちが一瞬たじろいだので銃の発車が遅れる。
放った銃を躱しながら。
「銃、構えてる意味ないな」
そうつぶやき刀を構え放つ。
「一閃 雷撃」
雷撃を横薙ぎで払う、こうすると男達6人に攻撃が当たる。
当たった男達はうめきながら腹を抱えて倒れる。
「まあこんなとこかな」
「流石だな」
うめいている男達を踏みつけながら陰がこちらに来る。
「こいつらどうするの?」
「普通に異能都市の犯罪部に突き出してポイントに変えてもらう」
「あーね、それが良いや」
「というわけで転送よろ」
「はいはい、ったく人任せにしすぎだろ」
言いながら市役所犯罪部に転送する。
犯罪部というのは異能都市にいる無能力者または異能力者の犯罪者を捕まえる部署だ。
いわゆる警察だが警察はまた別にある。
警察は全員というかだいたい無能力者でもなれるが犯罪部は全員異能力者だ。
さらに、犯罪部に我々異能力者が倒したり捕まえたりした犯罪者を突き出せば個人順位、異能グループの順位に関わるポイントが貰える。だから異能力者は犯罪者を捕まえ順位をあげようと必死になる。
順位上げは他にも方法があり上位を倒すというものだ。バトルロイヤル制だな、1位を倒せばもちろん一位になるだから異能力者は1位の私達を一生懸命探している。
本当にご苦労なことだ。
「どうした?陽、上行くぞ」
「ああ、すまんボーッとしてた」
「気をつけろよ」
「すまん」
「外から見た感じこのビル4階建てだから次で最上階っぽいな」
「そうかじゃあいよいよこの障害の戦犯のお出ましってことか」
そう言って階段を登ろうとしてると後ろから
「ちょっと待てよ、まだこの戦神様との戦いは終わってないぜ?」
というさっき聞いたような声がして、陰とお互いにしまった忘れてたと顔を見合わせて後ろを振り返るのだった。