過去の制圧2
たしかにそうだ、あの子は制圧したところの息子に似ている。
「でもまさか本当に時矢にいるとは...」
「これはまずいことになったな」
そうまさか制圧したところの息子が同じ学校に通っているなんて思わなかった。
おそらくあの子にもバレている、この異能はあの子の目の前であの子のお父さんに使った異能だから。
昔、私達の異能都市で情報障害が起こった、それは障害というよりももっとひどいもので、すぐさま異能力者全員に障害を起こした会社を倒すよう指示が飛んだ。
その指示はもちろん私達にも飛んできたしかもかなりレベルの高い命令でこの会社を制圧すればかなり異能都市順位が上がるということで異能力者達は一斉に会社を制圧にかかった。
だけど、情報が操作され正しい情報が入らなくなってしまったため会社の場所さえも特定している異能力者達は少なかった。
「どうする?」
「どうしようもないかな、場所さえも特定出来ない状態だ」
「まあ、そうだよな」
私達は困っていた、会社の場所もわからない、会社の社長の顔もわからない状態でどうやって会社を制圧するかだ。
「最悪異能で、大体の場所特定しても良いんだけど...」
「反動でかいからな」
そう、この異能は反動がでかい、反動によっては戦闘能力が無くなる可能性もある。
まだ、私の異能では反動を消すことが出来なかった。
わたしの異能は『全能』全能はどんどん異能が増えていく、ありとあらゆる異能が使用できる、その代わりかなり習得まで時間がかかる、さらに習得しても反動で亡くなる可能性もある。
「まあ、別に使っても良いんだけどね」
「どうやって?」
「陰の異能は『死滅』でしょ」
そうわたしが思いついたのは陰の死滅による反動消去。
これなら、異能が使えるそう踏んだのだ。
「確かにそれなら行ける、だけど失敗したら...」
確かに、失敗したら私達の存在そのものが消える可能性もある。
だけどその方法しかなかった。
「それしか無い、やるときはやる。」
「わかった...」
そう言って陰は死滅を発動させる、その瞬間私も全能の一つ『特定』を発動させる。
一瞬の間があった、だけどその一瞬で異能は成功した。
「行けたか?」
「うん...行けた」
正直驚いていた、この異能が成功する確率は限りなく低かったから出来たことに驚いていた。
「で、結局どこなんだ?」
「えーと、ここから南に9キロ東に9キロのところだって。」
「なんかkmで出るんだな」
それな、キロで出てくることなんて普通無いけど、番地っていう概念が異能都市にはないから。
まあしょうがない☆
「何で☆をつける」
何で分かったんだ?
まぁ良いけど。
「なんか面白くない?」
「何も面白くない、てか☆付けるとウザくなるんだが」
「そんな事よりさっさといかない?」
「おけ」
そう言って私達は会社討伐に向かった。
「ホントにここなのか?」
「あぁ多分な」
そう言って私達は中に入る。
中は廃墟のようで、少し薄暗かった。
こんな場所で情報障害が起こせるのだろうか。
「見つからないのも納得だな」
「そうだな」
中は本当に会社なのか、?ってぐらい壊れていた。
いわば廃墟、見つからないのも納得出来る。
「とりま会社の社長室探す?」
「そうだね、それが一番早く行けそう」
そうして私達は社長室を探すためにまず2階に行ったわけだが、そこにいたのは思わぬ人物だった。
「2階だな、誰かいるかー?」
「声かけて出てくるかよ...」
次の瞬間足下めがけてナイフが飛んできた。
急いで避けて飛んできた方向を見るとそこにいたのは。
「麗...」
時矢の実力者にしてトップを誇る海命 麗だった。
「お前なんで私の名前を知っている?」
あぁパーカーのフードで顔を隠しているから誰か分からないのか。
「誰だって良いだろう?異能力者とだけいっておく」
「そうか異能力者か...つまりこの会社を討伐しにきたということが」
「まぁ、そういうことだな」
しばらく麗は考え込む。
何を考えているのかは分からないが、良いことではなさそうということは分かる。
次の瞬間。
「じゃあ、私の順位上げに邪魔だ、消えてもらう。」
声が出なかった、なぜなら麗は学校トップ
実力を隠して勝てるわけがない。
どうしようかそう思っていると、陰がこっちを向いて戦えと合図をしてきた。
は?普通に考えて無理だろ。
だけど、やるしかなさそうだ、しょうがない、異能都市1位の実力を魅せるか。
そう決めて私は麗に向き合うのだった。