過去の制圧
「えええええええええ!?輝龍先生倒したの霊名なの!?」
めちゃめちゃ驚かれた、まあそうなるか今まで学年順位下位をさまよってたから実力はないと思われているんだろう。
「そうなんだ~霊名が倒したんだ、じゃあ1位って...」
この発言をしてメイアはどんどん顔が青ざめていった。
これは勘違いされそうだな、早めにさっきやった記憶改ざんの内容を伝えるか。
陰に教えなきゃと合図すると陰はわかっているというふうに口を開く。
「メイア勘違するな、私が輝龍先生を倒せたのは輝龍先生がころんだおかげだから。」
これを聞いたメイアはキョトンとした顔をしていたが理解したというふうにうなずいていた。
このあと全部内容を話したが納得したらしい。
「へえ、輝龍先生ころんだんだ、これは面白そうね」
言っているメイアはニヤニヤしている、輝龍先生は全校生徒からバカにされそうだ。
何でってメイアの部活の新聞は各クラスに配られて後ろや前に各自で貼ってくださいというものだ、しかも結構時矢で起こった事件や面白いネタなどがいっぱい入っているのでかなり人気だ。
そこに輝龍先生が転んで下位の生徒にやられたとなるとかなり馬鹿にされるだろう。
ちょっといい気味だなと思っていると、陰が嫌そうに言った。
「その新聞わたしの名前は乗っけないでほしい、余り目立ちたくないから」
「え、なんで?結構面白そうだと思うんだけどなあ」
頑なに載せようとするメイア、だけど陰がめちゃめちゃ嫌そうな顔をしていたので私は助け船を出すことにした。
「霊名は余り目立ちたくないんだ、メイア、名前は載せないでくれるかな?」
「まあ、別にいいけど...面白いのに」
陰が嫌そうにしていたのは名前が載せられることだ、いくら下位層だとしても名前が全校生徒にバレるわけだ
余り目立ってしまうとそれはそれで面倒くさい。
「ごめん、そうと決まれば今部室に全員いる時にこの新聞を完成させたいから、バイバイ!」
そういってメイアは足早に通り過ぎていった。
「なんていうか忙しい人だな」
「ああそうだね、うん、忙しい人だった」
印象が今日でだいぶ変わったと思う、メイアは忙しい人という印象で私達に残る.
そんな感じで、しばらく無言だったが私が陰に向かって言う。
「帰る?それとももうちょっと残る?」
「学食食べて帰ろう、約束どおり私がおごるから」
そういえば、そんな約束していたっけそうだ、朝ごはん食べてないんだ。
「今何時?」
「11時32分」
「結構遅いな、時間かかったんだな」
「一時間も学校にいたんだな、意外に長い」
「で、学食行くか?」
「行くよ、お腹すいた」
「んじゃ行くか」
そうして私達は学食に行くことになった。
ここからだと10分位かかるな、いま人いないし異能使ってもいいかな。
「異能使ってもいいと思う?」
「いいんじゃね、人いないし」
よっしゃ、異能使えば速い。
そう思いながら陰の手を掴んで発動する。
「『浮遊』・『移動』」
異能を同時に2つ発動させ空中移動を可能にする。
この異能で、あっという間に食堂に着く。
「いやあ、やっぱり異能は速いねえ」
「途中で人に合わなかったのはすごいな」
「ね、今日意外と人多かったのに」
そんな感じで食堂の中に入る、だけどそこで見たものは結構衝撃的なものだった。
男の子がいじめにあっている、いやなぜ公共の場でやる。
でも、男の子は実際いじめにあっている。
助けようかどうしようか陰に目配せするが陰はもう助けるつもりだ、服が変わってパーカーのフードを被っている。
存在がバレないように、顔は隠すが助けるつもりだ。
そんな陰を私は少し止める、今どういう経緯でいじめられているか聞かないと。
そう伝えると、陰はうなずき異能で私達の存在感を消した。
こうして盗み聞きする。
「お前のせいで先週の選抜戦負けたんだ!」
「僕のせいじゃないよ、君たちが各々勝手な行動するから...」
「そんなわけ無いだろ!お前のせいで負けたんだ!」
どうやら、中1のようだ先週あった特待生選抜試験でチームで負けてその責任を男の子に周りが押し付けているようだ。
選抜は各々の実力と、チームとしての団結力や結束性が試される、押し付けているようじゃこのチームは絶対に選抜試験で勝つことはできないだろう。
陰にもう良いだろう、理由もわかったことだしと異能で伝えると頷き、ゆっくりと男の子たちの方へ歩いていった私もそれに続いて服も変えて続く。
「なあ、お前ら何やってんの?」
「そうだなこんなところで何やってるんだ」
「はあ?お前らに関係ねえだろ」
「そうだ、どっかいけよ」
「俺ら何も悪いことしてねえよなあ、なあ渡。」
一人の男子がいじめられていた男の子に向かって言う。
男の子はビクビクしながらうんと言い小さくうなずく。
「ほらな、渡だって言ってるじゃねえか」
「そうだどっかいけよ」
陰と顔を見合わせるコイツラバカだ高校生に向かって中1の分際で、時矢は実力主義だ、だから中学生が高校生に向かってタメ語ではなしどっか行けなんて言ったら処分対象だ。
まあそんなことは置いといて、どうやってコイツラ何とかしようか。
そう思っていたら陰が言う。
「私達全部見てたんだぜ?見てたのにやってないっていうのはなあ」
圧のかけ方がどこぞのヤンキーだが?
だけど少し男子たちは怯む。
「なんだよ、お前ら」
「関係ねえだろ」
これでも違うって言い張るのはすごい。
陰に向かってあれを使うと言ったらうなずく。
使うかまあバレなきゃ犯罪じゃないって言われたしw
「異能発動『白状』・『強制』」
この異能はどんなことでも強制的に本当のことを言わなきゃいけないというものだこれも異能都市では犯罪だが陰がいいっていうんだ大丈夫だろw
「もう一回聞くけど本当にこの渡っていう子に何もやってない?」
男の子たちは呆然としたまま口を開く。
「あぁ、渡のことをいじめました。」
「なんで?」
「渡のせいでせんばつまけたから...」
「ほんとうに渡くんのせいで負けたの?」
この質問に男の子たちは黙り込む。
この異能はとても強い、余り人に使ってはだめだと法律で決まっているがしらない。
「今すぐ目の前から消えてくれる?」
「す、すみませんでしたああ」
男の子たちは走って逃げていく。
そして私達は渡くんに向き合う。
「君、大丈夫?」
「は、はい!あの助けていただいてありがとうございました!」
そう言いながら渡くんも逃げるように食堂から出ていく。
「いいのか?異能あの子達の前で使って」
「良いんだよ別にいじめを救うことのほうが大事だ」
「それなんだけど言ってもいい?」
「いいよ」
「あのこさ過去に制圧した会社の社長の息子に似てなかった?」
それを聞くわたしの顔は青ざめていった。
俺は一人逃げなから思っていた。
あの二人は間違いなくうちの会社を倒した二人だ。
よしやっと見つけた今までどんなに探しても見つからなかったのにまさか時矢だったとは。
これは好都合だ絶対に見つけ出して父さんの敵を取ってやる。
今からでも倒す瞬間がたまらなく楽しみだ。
「ハハハ、待ってろよ異能都市順位1位のやつら、絶対に見つけ出して...フハハハ、アハハ」
走りながら俺は一人道で笑っていた。