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2021/01/10

1075.


「今日の弁当はおにぎりだ。なぜだか分かるか?」


「意味もなく早く目が覚めて暇だったから作ってみた、ってところかしら?」


「甘いな。残ったご飯の微妙で普通にやったら浅くなったからおにぎり化することで隙間を作って誤魔化したんだ!」


「まどろっこしいわね・・・」



1076.


「だいたいねえ、そんな文句言ってるけど、お弁当作ってもらえるだけありがたいと思いなさいよ」


「たまに100円玉が3枚入ってるだけだけどな!」


「あなたのご両親への恩返しが足りないのではなくて?」


「足りないワケではない! ほぼゼロだからな!」



1077.


「本当によく、お弁当作ってくれるわね」


「そんなことよりおにぎりについて語ろうぜ?」


「“そんなこと”って・・・でも何故だか、おにぎりについて話さなきゃいけない気がしてきたわ・・・」


「よし! それでこそ我が友だ!」



1078.


「おにぎりトークと言えばやっぱコレ! 好きな具材は?」


「私は、梅干しね」


「おぉっとぉ、シンプル・イズ・ベストで攻めて来ましたねえ」


「何がどう攻めたことになるのかよく分からないんだけど・・・でも、王道こそが至高よね」



1079.


「ちなみに私はツナマヨだ!」


「結局美々香も王道なのね」


「だってマヨだよマヨ!? 普通のご飯にマヨネーズかけても全然ウマくないのに何故かおにぎりだと成り立つんだよ!? 神秘だよ!?」


「別に神秘ではないでしょ。でも確かに、ツナマヨでならご飯と一緒にマヨネーズ食べるわね」



1080.


「そうだろうそうだろう! マヨネーズご飯教としては、これは天から贈り物なんだよ!」


「ご飯にマヨネーズかけても美味しくなかったのなら何でマヨネーズご飯教になったのよ」


「ツナマヨおにぎりで目覚めたんだ!」


「それはもうツナマヨおにぎり教でしょう」



1081.


「にしても不思議よね。ご飯にマヨネーズが入ってるのに合うなんて。ダシでも入ってるのかしら?」


「細かいことなどどうでもいい! 食べて、ウマい! それが全てだ!」


「食べる側からすればそうなんでしょうけどね」


「だからおにぎりメーカーよ、私のためにどんどんウマいおにぎりを作ってくれ!」



1082.


「実際コンビニ行くと色々あるよね。一番はツナマヨだけどついつい他のも食べちまうぜ」


「そうなの? 私は梅おにぎりしか愛せないんだけど」


「何でそこで愛とか出てくるんだよ。重ぇよ」


「体内に取り込むものなんだから当然でしょう? あなたはツナマヨひと筋じゃないの?」



1083.


「いやいや、おにぎりぐらい別に浮気したっていいだろ」


「は? あなたそれでもツナマヨおにぎり教なの?」


「ちげーよ。マヨネーズご飯教だよ」


「だったら何故おにぎりを食べるの? 神への誓いは?」



1084.


「だから重ぇっつってんだろ。私なんかよりよほど宗教じみたこと言いやがって」


「それが愛というものなのよ。美々香には分からないでしょうけど」


「知りたくもねぇよンなもん」


「ふふふ、哀れなものね」



1085.


「そうは言うけどみずき、あんたマジで梅おにぎりしか食わないワケ?」


「当然でしょ? 愛だもの」


「じゃあその、おかかの乗った弁当は何だ? ん?」


「え・・・こっ、これはっ、お母さんが勝手に・・・!」



1086.


「お前の愛は親の都合ごときで揺らぐのか? あ? その玉子焼きは何だ? お? 梅おにぎりしか食べないのが愛なんだろ? え?」


「ち、ちが・・・!」


「違わないだろ? あ? 誓いを神に立てたんじゃないのか? お?」


「~~~~っ! い・・・一生かけて償うわよ!!」

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