2021/01/09
1067.
「友よ!」
「何?」
「忍者を探しに行くぞ!」
「は?」
1068.
「忍者とか現代に残ってる訳ないでしょ」
「そんなものは誰かが勝手に言ってることだ! だから私たちで探すんだ!」
「嫌よ。そんなに暇じゃないもの」
「おい! 忍者がいなくても良いって言うのか!」
1069.
「別にいいでしょ忍者がいなくたって」
「よくない! 私は忍者に会って、分身の術を教えてもらわきゃいけないんだ!」
「それで分身に授業受けさせるつもり?」
「そうだ! そして私は家でゲームをする!」
1070.
「忍者がいたとして、そんな不純な動機で教えてくれる訳がないでしょう」
「その辺はごまかす! 毎日授業が大変だから世界を救う旅を分身にしてもらうとか!」
「あなたにどんな世界を救うビジョンがあるのよ」
「あるじゃないか! ほら・・・地球温暖化とか!」
1071.
「仮にあなた自身が自由に動けるとして、どうやって温暖化対策をするのよ。私に説明できないようじゃ忍者も誤魔化せないわよ?」
「忍法・ふぶきの術で!」
「それさえも忍法に頼るのね」
「当たり前だ! 忍者は世界を救う!」
1072.
「忍者がいれば、温暖化も何もかも解決するということね」
「その通りだ!」
「今、温暖化は解決してないわよ? つまり、忍者はいない」
「なん、だと・・・!」
1073.
「そ、そんな、バカな・・・私たちの忍者が・・・!」
「そんな幻想なんて見てないで、黒板を見ることね」
「嫌だ! 黒板なんて見たくない! 見たって世界は救えないじゃないか!」
「おー満月、そうか世界を救いたいのか。じゃあ黒板見て勉強して国立大に行こうな」
1074.
「フザけるな! 私が欲しいのは学位より忍術だ! そして分身を授業に出すんだ!」
「お前は何のために学校に来てるんだ。世界救う気とかないだろ」
「ある訳ないだろうそんなものが! いいから早く忍術を教えろ!」
「この学校に忍術の授業は無い!!」