2020/12/13
982.
「兄よ!」
「妹よ!」
「・・・せーのっ」
「「シャンプーハット!」」
983.
「ガキの頃はよくシャンプーハット頭に置かれてたよね」
「覚えてねえよンなもん」
「思い出せ! まだ若かったあの頃を!」
「今だって十分若いだろ。高校生だぞ」
984.
「高校生などオッサンにオバサン! 何故なら! シャンプーハットを使わないからだ!」
「使うワケねえだろンなもん」
「逆に考えてみよう! シャンプーハットを使うことで童心に帰れると!」
「よーしじゃあやってみろよお前。記念写真も撮ってやるから」
985.
「おい! そんなこと言って写真をみずきとかに送るつもりだろ!」
「ちげーよネット上にアップするんだよ」
「余計悪いじゃないか!」
「でもブーム来るかも知れないぜ? シャンプーハットの」
986.
「私らでブームとか起こしてどうすんだよ。金にならんだろ」
「良くてもビジネスに利用されるだけだからなぁ」
「でも私の写真が出回りまくったらモデルのスカウト来るかも!?」
「誰がシャンプーハット使う女子高生をモデルに起用するんだよ」
987.
「シャンプーのCMには呼ばれるかも知れないじゃないか!」
「そんなの無理に決まってるだろ。せいぜいデパートで新商品のサンプル配りだ」
「ほとんどバイトじゃないか!」
「だからその程度しかできないって言ってるだろ」
988.
「じゃあいい! 妥協してシャンプーハットのCMに出る!」
「それこそ高校生が起用されるワケないだろ」
「じゃあ何のCMになら出られるんだ!」
「CMに出るのを諦めろよ」
989.
「そもそもシャンプーハットのCMなんてあるのか? 風呂用のオモチャぐらいしかないだろ」
「ないなら作ればいい!」
「俺らでシャンプーハットを宣伝する意味がどこにあるかは知らんが・・・やるか。暇だし」
「乗った! この私がひと肌脱ごう!」
990.
【あなたの頭にピッタリフィット。泡も水も目に入らない! 顔を濡らさずシャンプーできる! 頭の上でバブルがダンス! パステルカラーでスーパーオシャレ! あなたも今日からシャンプーハット!!】
「「・・・・・・」」
「・・・売れると思うか?」
「・・・・・・無理だな」