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2020/11/29, 12/05,06

●2020/11/29


948.


「兄よ!」


「何だ!」


「作者が、歌うネタが尽きたってよ」


「だろうと思ったよ」



●2020/12/05


949.


「12月だぞ!」


「それがどうした」


「作者が、忙しいからサボるってよ」


「あのヤローーー!!」



●2020/12/06


950.


「兄よ!」


「何だ!」


「作者のヤツがまたサボるとか言いやがった!」


「は? ナメてんのかあいつ」


951.


「あのヤロー・・・! 大した理由も説明せずサボりやがって・・・!」


「11月のラストも実質サボリだったから今日で3回連続。これは、俺たち登場人物としては納得できるものではないな」


「作者は私たちに対して、説明会を開くべきではないだろうか!」


「デモやろうぜデモ」


952.


「作者の部屋は割と長方形。玄関よりは窓際に押し掛けるか?」


「だな。反応がなければ押し入って、もし逃げられてたらそのまま乗っ取るぞ」


「しかし作者もそれを読んでくる。間違いなく引きこもって私らが去るのを待つぞ」


「その時は粘るしかない。夜通しやってれば折れるさ」


953.


「よし、みずきたちも呼ぶぞ! クレセント、お前も来い!」


「にゃーん!!」


「そういやコイツ、最近出番減ってるよな」


「にゃにゃにゃっ、にゃっ、にゃっ、にゃーーーん!!」


954.


「母よ!」


「なんだい」


「作者がサボるっつってるから文句言いに行くぞ!」


「なんだって? ここはガツンと言ってやらなくちゃいけないねえ」


955.


「父よ!」


「話は聞かせてもらった。行くぞ」


「よっしゃあ!」


「俺ら家族が団結するなんて、これが初めてなんじゃないだろうか」


956.


「友よ!」


「何?」


「作者がサボるらしいから殴り込みに行くぞ!」


「そう・・・ここは、世の中ってものを分からせる必要があるわね」


957.


「友の兄よ!」


「どうした美々香ちゃん、そんな血相変えて」


「作者が今日で3回連続のサボリだ! しかも何の説明もなしに!」


「何だと? それは、到底看過できるものではないな」


958.


「到着!」


「よし、美々香、行け」


「聞こえてるか、作者よ! お前は今、完全に包囲されている!」


「今夜静かに眠りたかったら大人しく顔を出すことだな!」


959.


「よし、次は母だ。行け!」


「任せときな。・・・あんた、作者だか何だか知らないけどねえ、そんなことが許されると思ってるのかい」


「もっと言ったれ!」


「少なとも毎日学校にはサボらず行ってる美々香以下だよ。 次は父さん、頼んだよ」


960.


「おい、作者よ。一家の大黒柱として言わせてもらう。お前には、この作品を守る責任がある。辛いこともあるだろうが、乗り越えてみせろ」


「おぉっとぉ! 情に訴える作戦で来たぁ!」


「あいつにこんな手が通じるのか?」


「通じなければ奴がクズだってことが確定するだけのことさ」


961.


「次! クレセント!」


「にゃにゃーーん!」


「猫が叫んだってどうにもならんだろ」


「問題ない。私が翻訳する」


962.


「にゃっ、にゃっ、にゃにゃっ、にゃっ、にゃにゃっ、にゃっ、にゃっ、にゃーーーん!!」


「え~っと・・・おい、作者、考えもなしに主人公に猫を拾わせ、何度か活用できたものの、最近は上手く織り込むことができず、無理に使ってる感が出るぐらいなら削ってしまった方がいいと出番ナシなことが続くとは何事だ、とな」


「何気に作者の事情把握してんじゃねえか」


「よし、次、みずき!」


963.


「作者さん、あなたの行いは最低の極みです。私たちという存在を生み出し、作品のためだけに散々な目に合わせ、自分の都合でサボりもする。人の心を持っているとは思えない。地獄に落ちなさい」


「分かってたけど、黒いな、こいつ」


「それも作者のせいよ」


「よし、次はみずき兄!」


964.


「作者よ。お前は俺を“本作品の良心”と位置付けた。だから俺には、この作品を守るように動く義務がある。もしお前が筆を執らないと言うのなら、代わりに俺が書こう」


「こいつ、作品を乗っ取りに行きやがった!」


「とても良心的とは思えない行動だな」


「我が兄ながら、酷いものね」


965.


「よし、最後に美々香、俺たちを代表して頼むぞ」


「任せろ! ・・・作者よ! 私の魂の叫びを聞け! 私は、私たちはなぁ・・・!」


「言ったれ! 美々香!」


「私たちはなぁ! 作者が書かないと生きていけないんだよぉぉぉぉ!!」


966.


ガララララッ。


「おい! ヤツが出て来たぞ!」


「あのヤロー今更のこのこと!」


「何だあのシケたツラは!!」


967.


ヒュッ。


「おい! 何か投げたぞ!」


ガララララッ。


「あ! 引っ込みやがった!」


968.


「紙飛行機のようだな」


「何て書いてあるの?」


「えっと・・・作品は、登場人物の皆さんあってのものです。なので、今後も共に歩んで行きましょう。おぉ、作者よ・・・!」


「待て! 惑わされるな! あいつは心では何とも思ってなくてもこの位は言ってのけるヤツだぞ!」


969.


「おい作者! こんなものでは騙されんぞ! お前はサボった! これが事実だ!」


ガララララッ。ヒュッ。


「また紙飛行機だぞ!」


「あのヤロー・・・文書でのメッセージだけとはナメてやがる」


970.


「それで、中身は?」


「えっと・・・皆さんもたまにはサボっていいですよ、だそうだ。よっしゃ!」


「よくないわよ。私たちがサボったら作品が成り立たないでしょう」


「つまり、それをやれば作者は困る! よし、ストライキだ!」


971.


「ちょっと待て。俺たちがサボればそれを口実に作者もサボることになるぞ。いいのか?」


「しまった! 危うく騙されるところだった! やい作者! サボらずに出てやるからちゃんと書きやがれ!」


ガララララッ。ヒュッ。


「またヒコーキ投げてきたな」


972.


「なになに? もう二度と、3回連続ではサボリません? おい! 2回まではやるのか!」


「待って美々香。3回連続でサボられた今、これは大きな進歩よ。こっちも穏便に行く姿勢を見せましょう」


「あまり追い詰めても悪化しかねんからな」


「くっ・・・いいだろう! 休戦協定だ!」


973.


「ああ~・・・作者のヤツ、この程度で許してもらおうなんぞナメた真似を」


「まあ、凱旋とは言いにくい帰り道だな」


「ですが、こうして皆で押し掛けたことに意味はあったと思うことにしましょう」


「にゃ~~~~ん」

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