2020/11/15
887.
「てなワケで、昨日こういうことがあったんだよ。どう思う?」
「いや、そんなに食べたかったんなら自分で買いに行きなさいよ」
「は? この私が? 晩飯の材料を? 有り得んだろ」
「そんなんだから食べたいものを食べれないのよ」
888.
「おいおい、私のエビフリッターへの想いをナメてもらっちゃ困るぜ。エビのためなら何なんだってやるぜ?」
「買い物もできなかったクセに?」
「それはそれよ。なぜなら、私が買って来たエビを他の奴も食べることになるだろう?」
「もう1人暮らしすれば?」
889.
「で、昨日は結局サバみりんだったんだよ」
「揚げ物ですらなかったのね」
「そうだよ! この私の、想いってやつが軽視されたんだよ!」
「されるに決まってるでしょうそんなもの」
890.
「全く。こりゃしばらく揚げ物やってくれなさそうだぜ」
「裏目に出たわね」
「あーちくしょう。こんなにも揚げ物を食いたいのに、この溢れる思いをどこにぶつければいいんだ」
「買い物に行きなさいよ買い物に」
891.
「あ、そうだ。揚げ物と言えば」
「あ!? てめぇコラ私を差し置いて揚げ物を食ったのか!?」
「なんであなたの許可がいるのよ。で、この間カレー屋さんに行った時に」
「カレーだぁ!? オイオイそれと揚げ物の何が関係あるんだよ」
892.
「最後まで聞きなさいよ。それで、カレーに入ってた野菜が素揚げだったのよ」
「素揚げだぁ!? 素揚げって、あの素揚げか!?」
「あなた素揚げの意味わかってる?」
「素揚げってあの・・・野菜の素揚げだろ!?」
893.
「野菜じゃなくても素揚げはできるけどね」
「要するにあれだろ? 野菜を油に突っ込むんだろ?」
「もちろん、高温の油にね」
「で、そいつがカレーに入ってたってワケか。深いな」
894.
「そうね。中々に新鮮だったわよ」
「何!? 素揚げした野菜が新鮮だったのか!?」
「帰っていい?」
「あー待て待て、ジョークだよジョーク。さあ、話を続けようじゃないか」
895.
「ヘルシーな野菜と高カロリーな揚げ物。これがギャップ萌えというやつか」
「どこに萌え要素があるの?」
「その上でだ、素揚げした野菜をカレーの具材にしている。これは、1つのハーモニーというやつだよ」
「何言ってるのかよく分からないけど・・・普通に美味しかったわよ」
896.
「おい、何この私を差し置いて食べてるんだ」
「だからなんであなたの許可がいるのよ」
「くっ、この私が揚げ物シックになっているというのに、お前という奴は・・・それでも友達か! 人としての心を持ってるのか!」
「あなたにだけは言われたくなかったセリフよ」
897.
「というワケでだ! 今日そのカレー屋に行くぞ!」
「え、私昨日行ったばっかりなんだけど」
「私のためだと思って付き合え!」
「それ、あなたに付き合いたくない理由第一位なんだけど」
898.
「だいたい、買い物には行けないクセに外食には行けるのね」
「当然だろ? 行きゃあメシが出てくるんだから」
「お小遣いは大丈夫なの?」
「大丈夫じゃない! だから貸せ!」
899.
「お金を借りるために一緒に来いだなんて、恥ずかしくないの?」
「そんなことを気にしてたらありつけないものがあるんだよ!」
「無駄遣いを減らせばありつけるわよ。頑張って」
「ちょっ、待っ・・・待ってくれーーー!」




