2020/08/23
599.
「前回のあらすじ! “井戸にゃん”の可愛さのあまりみずきがバグった!」
「ああ、井戸にゃん。ああ、井戸にゃん。ああ、井戸にゃ井戸にゃ井戸にゃ・・・!」
「ヤベぇ! マジおかしくなってやがる!」
「ハァ、井戸にゃん。井戸にゃん。井戸にゃん・・・! ああ、ああ・・・!!」
600.
「みずきマジ戻って来い! 600話になったぞ! バグったまま迎えるつもりかよ!」
「ハァ、井戸にゃん。ハァ、井戸にゃ~ん・・・!」
「マジで倒れやがったコイツ! おい! 井戸にゃんとイチャつくのはベッドの上だけにしろ!」
「井戸にゃん。井戸にゃん。井戸にゃん・・・!」
601.
「ママー、あれなにー?」
「こら、見ちゃダメよ。あっちに行きましょ」
(ヤベぇ! ヤバい目で見られてる!)
「スタッフ~~~!! ヘルプミ~~~~!!」
602.
「お客様、これは・・・・・・」
「すみません、私が井戸にゃんを与えてしまったばっかりに」
「他にお連れの方などは?」
「すみません、2人だけです。とりあえず兄を呼んでみます」
603.
「ひとまず、こちらをどうぞ」
「マジすんません・・・」
「いえ、たまにあることなので。井戸にゃんを“人気のあるキャラクター”ぐらいにしか思ってない方に多いようですね」
「はい、コイツもそうでした。マジすんません・・・」
604.
「おい、崇の妹が倒れたってマジか?」
「おお、来たか! 実の兄より先に来るとは、未来の旦那は違うな!」
「やめろ」
「見ての通り、みずきは井戸にゃんをナメていたが為にやられてしまったよ」
605.
「お、美々香ちゃんに涼太。悪いな、うちの妹が」
「ああ、井戸にゃん、井戸にゃん・・・!」
「マジすげぇな。媚薬でも飲まされたんじゃないかってレベルだぞ」
「面目ない・・・我が妹ながら、哀れな」
606.
「とにかく連れて帰らね? いつまでこうなってるか分からないぞ?」
「だな。おい崇、兄の責任で負ぶれよな」
「しかないな。それぐらいのことはさせてくれ」
「待て! 負ぶるのは危険だ! 今のみずきから井戸にゃんを引き離してはならない!」
607.
「・・・つまりは、お姫様だっこ、か」
「やれよ? 兄なんだから」
「はぁ・・・なんで高校になってまで」
「井戸にゃん・・・ハァ、ハァ・・・!」
608.
「どっ、こい、せと」
「何とか帰って来れたな」
「ハァ、井戸にゃん、井戸にゃん・・・!」
「まだ治ってねぇし」
609.
「いや~、まじビビったわ~。あんな冷や汗かいたの久々だったぜ」
「まったく、コイツは・・・。危ない奴とは思ってたが・・・」
「スゥ、スゥ・・・」
「あ、寝やがったコイツ」
610.
「ん、ん・・・?」
「あ、起きた」
「おーい、気は確かかー?」
「あれ・・・? 私は、一体・・・?」
611.
「そう・・・。私は、井戸にゃんを見て・・・。ああ、思い出してきたわ。そう、井戸にゃんが、ああ、井戸にゃ・・・じゃなくて!」
「相当だな、これは」
「ええ。どうにかなってしまいそうだったわ・・・」
「どうにかなってたからな? 既に」
612.
「美々香」
「ん?」
「認めるわ。私の想像を遥かに超える世界が、そこにはあった」
「こっちも想像絶するものを見せてもらったぞ、友よ」