2020/08/09
549.
「てなわけで、買い物! どうするよ? 晩飯」
「どうすっかな。何食うか決めれるのは調理当番の特権だからな。しかし、予算は1500円・・・」
「あんのケチババァ。4人分で1500円とかマジかよ」
「ま、スーパー着いてから考えるか」
550.
「まずは野菜だな」
「入口の近くって野菜なこと多いよな」
「切んのメンドイからカット野菜を・・・高っ! ほぼキャベツのクセに!」
「普通にキャベツ買うか」
551.
「おっ? こっちはどうだ? 6種の野菜で150円だぞ!」
「裏をよく見てみろ」
「ん? なんか白く塗ってあってよく見え・・・うわっ! ほぼモヤシだ! あぶねぇ!」
「表に色とりどりの野菜を散りばめ、裏の色付きのパッケージでモヤシを隠す。よくあるテクニックだ。気を付けろ」
552.
「くっそが、ほぼ詐欺じゃんかよ」
「キャベツはもう取ったし、あと野菜はバラで人参と玉ねぎがあればいいだろ。6種類もいらん」
「だな。モヤシでごまかしたら小遣いカットされそうだし」
「その精神は大事だ。次、肉いくぞ」
553.
「いやっほう! 肉パラダイス!」
「1500円じゃパラダイスできないけどな」
「何気に野菜で100円ちょいしか行ってないんだ。余裕あるだろ」
「いいやつだと普通に1000円超えるからな。油断するなよ」
554.
「どうするよ? 質で行くか、量で行くか」
「評価を上げるためにも母さんたちを満足させることを考えるぞ。やたら高いのを買っても奴らには差が分からんから無駄だ」
「だな。安物だけはやめてボリューム稼ぐ方向でいくか」
「だが鶏皮は入れよう。安いが、油ものは父さんに利く」
555.
「次! 豚代表!」
「そろそろ何作るか決めないとな」
「肉野菜炒めでよくね? 初日だし」
「だな。フライパンに突っ込むだけでできるしな」
556.
「という訳で豚代表は君に決めた! トントロ!」
「いいじゃないか。予算に余裕を持たせる程度のコストで安定した歯応えがある。その量なら2パックだな」
「最後に牛肉!」
「これが難しい。国産の小間切れでいくか、外国産で部位を狙うか」
557.
「しかも他が鶏皮とトントロだろ? スタンダードなので行くか?」
「だな。後は予算で決めるか。あと800円弱だから・・・これだな。国産ならゴムみたいに固いってことは無いだろう」
「おっ? 期限迫って割引になってるやつに目を付けるたぁ、やるじゃねぇか」
「安さは、品質だ」
558.
「あ、やっべ。味噌汁どうするよ」
「おっと。80円余るから豆腐も入れるか。味噌とカットわかめぐらい家にもあるだろう」
「決まりだな! 今晩は肉野菜炒め定食だ!」
「よし、さっさと済ませるぞ」
559.
「どうだ! 満月兄妹特製、3種の肉ア~ンド3種の野菜炒め定食だ!」
「へぇ。アンタたちにしてはやるじゃないか」
「ふむ、悪くない。ビールにもよく合う」
「フッ、決まった」
560.
「そんな調子で、」
「俺たちは、」
「1週間を、」
「頑張った」
561.
「よくサボらずにやったもんだよ。ほれ、約束の小遣いだ」
「イヤッフーーーー!」
「サボらなかっただけではない。クオリティもまあまあだっただろう」
「そうだね。思ったより上出来で驚いてるところさ」
562.
「つまり! 私たちの評価は上々! 従って! 追加報酬を要求する!」
「何言ってんだい。1週間で3千円っていう約束だったじゃないか」
「ふ、ふざけるな! 激マズ料理でも絶品でも同じだというのか!」
「そうだよ。マズけりゃクビにしてただけさ」
563.
「もしかして出来次第で小遣いアップだとでも思ってたのかい?」
「当たり前だろ! いい仕事をした方が報酬もいいに決まってる!」
「違うね。のうのうと最低限だけをやっても、死ぬほど頑張っても大して変わらないのさ。それが社会ってモンだよ」
「社会のバカヤローーー!!」




