2020/06/28
405.
「今日は束の間の、晴れ!」
「たまには晴れてもらわんとな」
「という訳で、ピクニックに行くぞ!」
「は? まあいいけどよ」
406.
「で、私たちも呼ばれたのね」
「兄と2人でピクニックとか有り得ないだろ?」
「だからってこの4人ってのもどうなの? まあ美々香と2人でも嫌だしお兄さんに会う機会になったからいいけど」
「だろ? 持つべきものは友だろう?」
407.
「妹は持つべきものじゃないとも言えるけどな」
「またその話か。よさないか、今は楽しいピクニックなんだぞ」
「何が楽しいんだよ」
「6月の太陽!」
408.
「それで、どこまで行くの? どうせ考えてないんだろうけど」
「考えてないワケじゃない! 考えたけど結論が出なかったんだ!」
「どっちでも一緒よ」
「違わない! 私は努力をした!」
409.
「まあいいじゃないか、みずき。どうせ俺らも暇だったんだから」
「暇なら何にでも付き合えるって訳でもないんだけど」
「だからこそエサを用意したのだ」
「妹にエサにされた俺はどう楽しめばいいんだ?」
410.
「そうだな。じゃあ歌なんてどうだ」
「またいきなりだな」
「歌とは、いきなり歌い出すものなのさ」
「ミュージカルやってんじゃねぇんだけどな」
411.
「旅人は言った。歌さえあればどこまでも行けると」
「マジでどっかで聞いたようなセリフだな」
「気にするな、付き合え」
「へいへい」
412.
「Glo – – ry, glo – ry, ha – llelu – – – jah !」
「Glo – – ry, glo – ry, ha – llelu – – – jah !」
「Glo – – ry, glo – ry, ha – llelu – – – jah !」
「「His truth is marching on !」」
413.
「み~どり~のおか~をの~りこ~えて~~♪」
「ゆ~れる~つり~ばし~をわ~たり~きり~~♪」
「げ~きりゅ~うの~かわ~もな~んの~その~♪」
「「い~ざ~す~す~も~う~~~♪」」
414.
「げっ!」
「ちょっ!」
「おい!」
「美々香が流されたーー!!」
※最後の歌はリパブリック讃歌(作曲:ウィリアム・ステッフ、作詞:ジュリア・ウォード・ハウ)で、後半の日本語の部分の歌詞は自作です。