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2020/02/15

41.


「鉄について語ろう!」


「はぁ? 嫌よ」


「じゃあタピオカにしよう!」


「1人でやって」



42.


「兄よ!」


「何だ!」


「鉄について語ろう!」


「鉄。それは、原子番号26番の元素である。地球上に豊富に存在し、ありふれた金属と言えるが、ありふれたものでありながら重要な金属材料であり、様々な形で人類文明を支えている。特に、鉄と炭素の合金である鋼は、炭素量や熱処理法などによって多種多様に応用できる万能な材料となる。炭素量が一定以下のもの、および純鉄はフェライトと呼ばれるが、温度を上昇させると格子構造が変化し、オーステナイト、デルタフェライト、さらには液体へと変態する。なお、フェライトはα鉄、オーステナイトはγ鉄とも呼ばれるが、βが欠けているのは、かつてキュリー点においても相変態があると考えられていたためである。キュリー点とは、物質が強磁性を失う温度である。鉄は、磁性材料としても知られ、・・・」



43.


「友よ!」


「何?」


「我が兄は鉄に詳しいぞ!」


「よし、鉄の勉強をするわよ」



44.


「が、アァ・・・」


「こんなところね」


「てつ、ムリ・・・」


「美々香の弱点みっけ」



45.


「鉄」


「やめて!」


「フェライト」


「やめろおおぉぉぉ!」



46.


「兄よ!」


「何だ!」


「私は二度と鉄には関わらない!」


「お前の全身を巡る血も鉄だぞ」



47.


「美々香、どうしたんだろ」


「・・・今日は、珍しいことになった」


「先生、まさか」


「兄から連絡があり、満月は休みだ。昨日、突然失神したらしい」



48.


「ふぅ、散々な目に遭ったぜ」


「回復したみたいね」


「方向性を変えて、鳥について語ろう!」


「鳥。それは、脊椎動物のうち鳥類を指す。時折ゴミ漁りや騒音などの問題を引き起こすが、人類にとって大きな害はなく、お互いの生活に溶け込んで上手く共存していると言えよう。その中でも、特に人類との繋がりが深いのはニワトリである。現在は食用として広く馴染んでいるが、古くは観賞用や、軍鶏に示されるような興行目的での飼育もあり、現在でも愛玩動物としての需要はある。さて、そんなニワトリであるが、その元祖、全てのニワトリの始めともされるのがセキショクヤケイである。中国南部から東南アジアにかけて生息している野鶏(やけい)であり、オスはその名の通り鮮やかな赤色(せきしょく)をしているが、メスはどちらかと言えば褐色である。ニワトリは、人類がセキショクヤケイを飼い始めた結果誕生したものと考えられており、白色レグホンも、プリマスロックも、地鶏でさえも、全てはこのセキショクヤケイから始まっている。さて、ニワトリはキジ科の鳥類であるが、・・・」



49.


「よーし、じゃあ英語の授業始めるぞー」


「先生」


「どうした」


「満月さんが早退しました」

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