2020/06/21
390.
「兄よ!」
「妹よ!」
「・・・せーのっ」
「「日食!」」
391.
「・・・いつも思うんだけどさ、お前ら兄妹のそれ何なの?」
「おまじないだ!」
「だから、何の」
「話題作りの!」
392.
「いや、他にもあるんじゃ?」
「ない!!」
「兄さん、美々香には何を言っても無駄よ。付き合わされてるお兄さん、かわいそ」
「別に俺は言うほど気にしてないが」
393.
「みずきは病気だからほっとけ! そんなことより日食だぞ!」
「誰が病気ですって? 私に言わせれば美々香の方が病気だからね?」
「お前ら、日食ぐらい静かに見れんのか。お互い、妹には苦労するな、崇」
「俺は友人にも苦労しているが」
394.
「兄さん、気持ちは分かるけど友人に苦労してるのは私だけよ。お兄さんは悪くない」
「どうやら友人より妹に苦労するのは確かなようだ」
「そんなこと言ったら、私だって兄には苦労してるわよ。なんせ兄さんの存在そのものに妨害されてるんだから」
「妹にここまで言われるんだぜ?」
395.
「それはまあ・・・もし美々香のせいでそうなったなら、すまんかったな」
「何だと! 私のせいだって言うのか!」
「半分はそうだろ」
「いや、8割ぐらいはみずきの問題だから。美々香ちゃんたちは気にしなくていいぞ」
396.
「8割ではない! 95%ぐらいあるはずだ! 私の友だちは15人なのだからな!」
「1/15って言いたいなら93%ぐらいだな」
「2%ぐらいは誤差だ!」
「1/15か1/20かは誤差じゃ済まないと思うが?」
397.
「待って。何で8割以上私がおかしい前提になってるの。こんな奴がいたら下に敷いてやろうと思うのは当然でしょ?」
「それ思ってるの15人に1人なんだが?」
「みんな言わないだけできっと思ってるわよ」
「兄としては否定できねぇ・・・」
398.
「それならそれでモテるじゃないか兄よ!」
「俺がモテる時はお前が人を狂わせてるんだからな?」
「おい涼太、それ言ってて悲しくならないのか?」
「大丈夫ですよ。お兄さんには私がついてますから」
399.
「てかさ、話戻すけどさ、誤差っていうか誤算っていうか、」
「そうね。なんかもう今更って感じね」
「俺もあえて触れないようにしてたんだが・・・いっそのこともう叫ぼうぜ。せーのっ」
「「「「雨じゃ日食見えないじゃん!」」」」