2020/06/14
370.
「兄よ!」
「妹よ!」
「・・・せーのっ」
「「雨!」」
371.
「雨でテンション上がんないからアメ玉なめてみたんだけど、甘いもん食っても変わんないね」
「そりゃそんなんで変わったら苦労しねぇだろ」
「でも糖分ってさ、頭使う時とかには良いらしいよ」
「じゃあお前には必要ないな」
372.
「なにさその言い草は。まるで私が頭使わないバカみたいな感じじゃん」
「実際そうだろうが」
「違う! 私は頭を使わないんじゃない! 頭を使っても分からないだけだ!」
「尚更バカじゃねぇか」
373.
「どうせ頭使っても分からないんだから使うのやめろよ。そしたら糖分もいらなくなるから」
「糖分は必要だ! 頭を使わなくたって!」
「ほう? なんでだ?」
「美味しいからだ!」
374.
「バカだって! 甘いものを食べたい!」
「うん、もうそれでいいと思うぞ。お前、頭使ったから糖分摂取とかいうタイプじゃないだろ」
「という訳で、アメちゃんをもう1個!」
「そういや雨の日にアメとかいうバカみたいなことからこの話になってたな」
375.
「にしても雨つまんねぇ~~」
「雨だって、必要とされて降ってるのさ。年中カンカン照りでも困るだろ?」
「梅雨明けたら猛暑かぁ~。もっとやだなぁ~」
「太陽だって、必要とされて空の上にあるのさ。ちょっとぐらい我慢しろ」
376.
「じゃあ私は、何に必要とされて生きてるの?」
「考えるな。言っただろ、お前はバカだから頭を使っても無駄なんだ」
「そうか! 考えなくてもいいんだな! 誰に必要とされてるかなんて!」
「やっぱり頭使っていいぞ。お前、多分、大抵の人に、静かにしてもらうのを必要されてる」