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2020/06/06,07,13

●2020/06/06


345.


「兄よ!」


「何だ!」


「もう6月だぞ!」


「やばいな!」



●2020/06/07


346.


「私は今! モーレツに叫びたいことがある!」


「奇遇だな、俺もだ」


「では行くぞ! せーのっ」


「「作者サボんな!!」



●2020/06/13


347.


「兄よ!」


「妹よ!」


「・・・せーのっ」


「「ジューンブライド!」」



348.


「ところでさ、ジューンブライドとは言うけどさあ」


「何だよ」


「何でジューンブライドって言うんだろうね」


「知るか。自分で調べろよ」



349.


「私はさ、思うんだ」


「アテにならん予想なんかしないで調べろよ」


「きっと業界が書き入れ時を作りたくて広めた言葉なんじゃないかって」


「おい、根拠もなくそういうことを言うな」



350.


「ったく、お前が調べないなら俺が調べるぞ。なになに?」


「どうだった?」


「英語の“ジューン”の由来になった女神が結婚生活の守護神だったらしく、それで6月に結婚すると幸せになれるって言い伝えがあるらしい」


「ふ~~ん。疑ってゴメンネ業界!」



351.


「ん・・・? おいマジかよ・・・」


「どうかした?」


「さっきのやつは日本では知られてなくて、雨が多くて結婚する人が少ないことに困ったブライダル業界が始めたものらしい・・・」


「え、マジ?」



352.


「なぁ~んだ。結局業界の策略だったんじゃん。一生の思い出を~なんてこと言いながら、雨の降りやすい時期に仕向けてたんだね」


「おい、その言い方はやめろ」


「だってさ~、買い物でさえ雨降ると行く気なくすじゃ~ん。それをさ~」


「お前そんなグチグチ言うような奴だったか?」



353.


「それにさ~、たくさん人を呼ぶんだよ~? 梅雨にされたら“なんだよコイツ”とか思っちゃうっしょ~」


「“ジューンブライド”があるから誰も思わんだろ」


「そんなのは言い訳っしょ~。要は自分たちが6月に式を挙げたいってのが一番なんでしょ~?」


「別にいいだろ主役なんだから」



354.


「お前なんでジューンブライドにそんな否定的なんだよ」


「私はただ、よく分からん言い伝えに流されて雨の日に結婚するぐらいなら、大安じゃなくてもパーッと晴れた日にしたいだけさ」


「天気なんて直前にならんと分からんだろ。7月とか8月でも台風は来る」


「あ~それもヤダね~」



355.


「てか冬は大雪くるかもだし春には花粉が飛ぶじゃんよ」


「ここは滅多に大雪にならんだろ。あと花粉とか完全にお前の都合だ。そんなこと言ってたら結婚式できんだろ」


「そうよね~。みずきはどう思ってんだろ。聞いてみよ」


「お前ら結婚式のタイミング悩むような歳じゃないだろ」



356.


「乙女はいつでもウェディン~グっ! という訳でもしもしみずき?」


【電話をかけるのはよく分からない奇声が終わってからにしてくれる?】


「まぁまぁ、いいじゃないか。今日は、結婚式についての話題だぞ!」


【それならお兄さんとさせてくれる?】



357.


「“やだ”ってさ!」


「おい、言ってないからな」


【そんな・・・】


「俺の声は聞こえんか。まあいいやこのままで」



358.


「みずきはさ、結婚式っていつやるのがいい思う?」


【はぁ? 今そんな話してどうすんのよ? 大学行くだけで事情変わるでしょ】


「まぁまぁ、いいじゃないか。ジューンブライドなんだしさ」


【それは実際に式を挙げる時に言いなさい。なんか虚しくなってきたわ】



359.


「で、式はいつやるのがいいと思う? やっぱ6月? それとも雨の降らなさそうな日?」


【う~ん・・・6月が縁起がいいとは言っても、雨降るのも嫌だしなあ】


「ちなみに、日本でジューンブライドが広まったのは業界が6月の結婚式を増やすためだぞ!」


【今それ言う?】



360.


「ちなみに私の兄は、夏と秋は台風、冬は大雪、春は花粉があるから嫌だそうだ」


【え、そうなの?】


「おい、後半2つはお前だろ。しかも花粉とか一番どうでもいい」


【別に私は、お兄さんが望むなら式なんていらないわよ】



361.


「だそうだぞ、兄よ。よかったな!」


【え、お兄さんがそこにいるの?】


「言ってみただけだ!」


【ふざけてんの?】



362.


「お前、マジ友だちで遊ぶのも大概にしろよ。俺、いるからな?」


「だったら自分で言えばいいじゃないか」


「いや、面白いからこのままでいい」


「だろ?」



363.


「で、結局みずきはダンナが望めば夏だろうと式がなかろうと良いってワケだな?」


【ええ、構わないわ。結婚で一番大事なのは、誰と結婚するかよ】


「だってさ、兄よ」


「なんか、ゾクッとしたんだが」


364.


「兄が、なんかゾクッとしたってさ」


【はいはい、もうその手には乗らないわよ】


「じゃあ今度は、いつ式を挙げるかじゃなくて、いつまでに結婚するのがいいか話そうぜ?」


【なんで“まで”なんて付けるのよ。確かに美々香は乗り遅れそうだけど】



365.


「おいおい、この私だぞ? 適当にだまくらかして乗っかるに決まってるだろ?」


【当たり前のようにそんなこと言わないで。これじゃ本当に心配ね】


「あんな奴に執着してるみずきの方が心配なんだが?」


【何言ってるのよ。世界に1人しかいない、“美々香の兄”よ】



366.


(いや、それが心配なんだが)


(やべえ、崇の妹、マジで大丈夫か?)


「じゃあ私の兄が結婚しない宣言をしたらどうする! それでもお前は受け入れるのか!」


【そういうことを言う人のほとんどは結婚したくてもできない人よ。だから私が助けてあげるわ】



367.


「奴のベッドの下にあるイケナイ本の山を見ても同じことが言えるのか!」


「オイふざけんな」


【それぐらい普通でしょ? 何なら中身を教えてくれる? 合わせるから】


((コイツやべぇ!))



368.


【そんな本ぐらい私の兄だって持ってるわよ。隠せてないのが滑稽ね】


「おい美々香、どんなのがあるか聞け。後でアイツをおちょくるネタにするから」


「やなこった。私までヤバい奴だと思われるだろうが」


【あ、言っとくけど教えないわよ? あんたに兄を誘惑されると困るから】



369.


【ちなみに私は、温泉旅館で帯を引っ張られて“あ~れ~”とかする展開がいいわね。さすがにこればかりは言えないけど】


「だそうだぞ兄よ!」


「オイこっち向けんな! ・・・あ」


【え・・・いぃやあああぁぁ~~~!!】

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