2020/05/30
321.
「今回は、前回作者に忘れられたカイワレ大根の話をしようと思う!」
「作者のせいにするな。俺たちが忘れてたんだ」
「仕方ないだろ! ほら、あるじゃないか! コロッケを作ってたらキャベツの存在を忘れてたとか」
「それはファンタジーの世界だけだ」
322.
「というか、作者がどうとか言うな」
「こういうの、メタ発言って言うんだよね」
「そうだ。作者があんまり好きじゃないみたいだからやめろ」
「いやでも仕込んでんの作者じゃん?」
323.
「どもども~」
「うわっ! なだいきなり!」
「誰だよお前」
「藤見、倫」
324.
「はぁ? 作者だぁ? あんたみたいなチンチクリンが作者なワケ…」
スゥッ。
「美々香ーーーーー!!」
「お分かり頂けましたか?」
325.
「はぁぁっ、はぁぁぁっ・・・。この世と虚無の狭間を彷徨ったぜ・・・」
「どうです。これで信じて頂けましたか?」
「はい! それはもう! パないです! 神です! どこまでもついて行きます!」
「手のひら返しが清々しいですね・・・」
326.
「で、作者とやらが何でここに来たんだ?」
「いや~、ちょっと遊びに」
「メタは好きじゃないクセに?」
「いいじゃないですか。たまにはハメを外したくなるんですよ」
327.
「せっかくだから作者に頼みたいことがある!」
「何でしょう」
「我が家を豪邸にしてくれ!」
「孫の代でも返せないほどの負債を抱えることになりますよ?」
328.
「何で買わされるんだよ! タダでくれよ! それかゲンナマ!」
「宝クジでも当ててください」
「当たるように話を作れ!」
スゥッ。
329.
「美々香ーーーーーーー!!」
「めんどくさい子は仕舞っちゃいますよ~」
「えげつねぇ・・・マジえげつねぇ」
「当然の報いです」
330.
「さて、そろそろ帰りますかね」
「おい! 美々香いなくなったままだぞ! どうすんだよ!」
「あなたが主人公になります」
「オッケー」
331.
「待ぁてぇぇぇぇぇぇぃぃ!!」
「美々香!?」
「おや、やりますね」
「ぜぇぇ、はぁぁ・・・」
332.
「フッフッフッフ・・・いつまでも登場人物をコントロールできると思うなよ?」
「皆さんが当初の予定を無視して話を進めるなんてしょっちゅうですよ」
「だろ? それがこの、満月美々香だ!」
「テメェなに戻って来てんだよ。主人公返せ」
333.
「あぁ? それが妹に向かって言うセリフか? 感動の再会だぞ?」
「兄よりも先に作者と話しといてよく言ったもんだな」
「ま、兄妹の絆なんてこっちも願い下げだけどね!」
「だろ?」
334.
「それでは今度こそ、戻ることにします。お元気で」
「そう言うなら私が風邪ひかないようにしてくれ!」
「日頃の行い次第ということで」
「じゃあ私の日頃の行いを良くするんだ!」
335.
「それもどうでしょうね。ではでは~」
「ちょっと待った、作者よ」
「何です?」
「かいわれ大根はどうした」