2023/09/10
4738.
「兄よ!」
「お兄さん!」
「何だ!」
「私たちの夏は!?」
4739.
「何だよ2人して。夏ならまだ続いてるだろ、こんなにも暑いんだから」
「そうじゃねえ! 何でいつの間にか夏休みが終わっちまったのかっつってんだよ!」
「そうですよ! 気が付けば9月で、それも2週目! これをどう説明するというのですか!」
「作者がすっ飛ばしたんだからしょうがないだろ?」
4740.
「フザけんな! そんな・・・っ、そんなことで、私たちは夏休みを失ったというのか!?」
「夏休みならあっただろ? 7月の下旬に」
「8月は!! 8月は無かったですよねお兄さん! 夏休みのメインディッシュとも言える8月が! これはもう夏休みを失ったも同然なんですよ! 責任取って今から私と残暑のアバンチュールを過ごしてください!!」
「何でだよ。そもそも俺だって8月を失ったんだぞ、お互い様だ」
4741.
「こんな、ことが・・・あっていいのかよ・・・なぁ!!?」
「心配すんなよ。作者による描写がなかったというだけで、俺たちもしっかり8月は過ごしたから」
「描写されなきゃ意味ないだろぉ!? 海・・・は7月に行ったか。でも、山行って、花火して、家でダラダラ過ごして、そんな、当たり前に過ごす夏休みの大半を、私たちは眠らされたも同然で2学期を迎えてしまったんだぞ!? 週休2日しかない、悪夢の2学期を!」
「心配すんなよ。大人になったら週休2日さえもなくなっちまうんだからな」
4742.
「大人になったら休みがあったって充実しないから一緒です! 問題は今なんです! 取り戻しましょうお兄さん! 夏を、8月を、アバンチュールを!」
「それは8月があったところで存在しないだろう」
「あります! 作者さん次第では!」
「それが無いってことを早く理解するんだ」
4743.
「お前らは、まだいい・・・」
「こっ、この声は・・・みずき兄!」
「兄さん!? 戻って来たの!?」
「ああ、たった今な・・・元は2週間の冷凍庫生活のはずが、作者がサボッたせいで1ヶ月半に延長されてな!!」
4744.
「だが崇。今の流れで言えば、延長されたところで描写されなかったんだから何の苦でもなかったはずだぞ?」
「それでもだ! 俺は・・・俺は・・・っ! あの辛くも苦しい1ヶ月半を過ごした! その記憶だけは脳裏に焼き付いている・・・っ!!」
「なん、だと・・・! つまり、私たちに楽しい思い出は残さずに、みずき兄には辛い思い出だけが残ったってぇのか! 何故だ! なぜそんな都合の悪いことになっているんだ!!」
「崇さんの件はこちらでやったことですわ」
4745.
「部長・・・! い、今のはどういうことだ・・・!」
「聞いての通りですわ。考えてもみてくださいまし。そもそも制裁として冷凍収容所に送ったのです。作者さんが1ヶ月半も離れたのは想定外でしたが、だからと言って記憶が残らないのは制裁にならないでしょう? そもそも涼太さんの時も、明確な描写はせずに本人が2週間後に復帰したのですし」
「言われてみれば、そうだ・・・」
「ん、ちょっと待って? つまり兄さんは、実体験そのものはせずに1ヶ月半辛い思いをした記憶だけ植え付けられたってこと? リアルタイムでの苦行を免除されてない?」
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「た、確かに! みずきお前いいことを言ったな!」
「どこが良いことだ! こっちはマジで体験した気分なんだぞ!」
「その通りですわよ美々香さん。それにみずきさんも。それを言ってしまえば涼太さんも、1年間漁船に乗った谷崎先生も同じではありませんか。心配せずとも皆さん、実際に苦行を経験したことになってます」
「なんだ、そうなのかよ。さすがはサバハーモニー、抜かりないな」
4747.
「待てよ! 作者の怠慢により冷凍庫期間が延長された俺の無念はどう晴らされる!?」
「ンなもんどうだっていいだろ。2週間にしろ1ヶ月半にしろ、やることに変わりなかったんだから。こっちはなぁ、本来できるはずの楽しい思い出が失われちまったんだよぉぉぉぉぉ!!」
「それこそ些細なことだ。なんせ俺たちは、歳を取らずにずっと高校生なんだからな」
「そぉぅれを思い出させるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




