2022/11/05
4030.
「緊急告知!」
「・・・今度は何なんですの?」
「ついにタイトルが変わった!」
「なん、ですって・・・!?」
4031.
「タイトルの変更・・・つまり、ついにこの作品のタイトルが“世界サバ・フィル・ハーモニー”になったんですのね・・・!」
「んなワケあるか。何考えてんだよお前」
「わたくしが主人公の物語」
「んなもんスピンオフでやってろ」
4032.
「つまり、わたくしの物語のスピンオフも有り得ると」
「作者に相談してみることだな」
「ですが、この作品内では作者さん死んでしまいましたわよね?」
「そういやそうだったな。じゃあお前も一旦死んで会いに行けば?」
4033.
「えぇ~~~っ? それしか手段ないんですの? しょうがないですわねえ、ではこのザ・サバ・ポイズンカプセルで少々行って参りますわ」
パクッ。
「キューーン」
「行ってら~~」
4034.
「ん・・・ここは・・・?」
「お久しぶりですね」
「あ、あなたは・・・作者さんですわね。ごきげんよう。ご無沙汰しておりますわ。ここがあの世とやらですか。思っていたよりも、こう・・・明るい場所ですわね」
「死後の世界ですから。あんまりどんよりしていても、ね」
4035.
「ところで、何か用ですか? わざわざ変な薬まで作って」
「あ、そうでしたわ。わたくしが主人公のスピンオフ、“世界サバ・フィル・ハーモニー”を作って頂けると聞いたのですが本当なのですか?」
「え、誰ですかそんなデタラメ言ったの。作りませんよ」
「じゃあ作ってくださいまし」
4036.
「嫌ですよ。ただでさえこの作品も結構な手間なのに」
「これだけ適当に作ってて何が手間なんですのよ・・・」
「登場人物がこうして乗り込んで来るところとか。用はもう済みましたね。これ以上突っかかられても面倒なので追放します。さようなら」
「え、ちょっと、まだお話のとちゅ・・・あ、ああああぁぁぁぁぁぁ・・・!」
4037.
スゥッ。
「あ、戻って来た。どうだった? 作者いたか?」
「おりましたわよ。スピンオフをお願いしましたが無下に断られてしまいました」
「当たり前だろ・・・」
4038.
「それで? タイトル変えた理由とかは聞けたのか?」
「え? 別に聞いておりませんけれど」
「何でだよ! お前何のためにカプセル食ったんだよ! もっかい行って来い!」
「無茶苦茶言わないでくださいまし。そんな簡単に何度も死後の世界には行けませんわよ」
4039.
「そもそも、その辺りの事情は美々香さんが知っているのではないのですか?」
「しょうがないなあ・・・まあ、あれだ。“満月ズ”ってタイトルの割に、ウチの母さんと親父の出番少ないだろ? 我が家が舞台になることも少ない。そこでだ、無理に中身をタイトルに合わせるより、タイトルを変えてしまおうとなった」
「それならそうと初めから言ってくださいまし」
「お前が自分のスピンオフがどうのって言い出すからだろ。しまいにゃカプセル食ってあの世いっちまうし」
4040.
「と、いうワケで新生、“満月美々香と愉快な仲間たち”、スタートだ!」
「なんだかもうふざけた中身だってことを隠さない名前になりましたわね」
「実際ふざけた中身だろうが。作者がおふざけで作ってんだから」
「自分がその登場人物だということが物凄く悲しいですわね」