2020/05/02
232.
「ゴー、ゴー、レッツゴー、ゴー、ゴー、ご・が・つ!」
「ゴー、ゴー、レッツゴー、ゴー、ゴー、ご・が・つ」
「ゴー、ゴー、レッツゴー、ゴー、ゴー、ご・が・つ!」
「ゴー、ゴー、レッツゴー、ゴー、ゴー、ご・が・つ」
233.
「ご・が・つ!」
「ご・が・つ」
「ご・が・つ!」
「ご・が・つ」
234.
「メイ! さつき!」
「さつき、メイ」
「ご・が・つ・だ・ね! フー!」
「・・・何なんだよこれ」
235.
「兄よ!」
「妹よ!」
「・・・せーのっ」
「「寿司!」」
236.
「好きな寿司ネタってある?」
「ある」
「何?」
「サーモン」
237.
「何で質問に答えるだけなのよ」
「省エネ」
「それじゃモテないよ?」
「あっそ」
238.
「え、マジで何。キモい」
「ガキには分からんさ」
「きも」
「やれやれだぜ」
239.
「ちなみに私はカンパチだ」
「回転寿司行ったら真っ先にそれ頼むもんな、お前」
「そう。あの、カンパチの、あの、素晴らしい、素晴らしさよ」
「グルメリポーターにはなれそうにないな、お前」
240.
「ではサーモンの魅力を行ってみろ!」
「まずはあの、鮮やかな朱色。サーモンだけに許された、オリジナルの色と言えよう」
「それで?」
「そしてあの、脂の乗った柔らかな舌触り、そして、その、素晴らしい食感」
241.
「私と大して変わらんじゃないか」
「“素晴らしい”しか言ってないよりマシだろ」
「カンパチの良さは他にもあるぞ! ほら、その・・・色とか!」
「俺のパクリじゃねぇか」
242.
「でも回転寿司行ったらさ、ワケわかんないやつとかも頼みたくなっちゃうよね」
「わかる。で、美味いのがあっても名前忘れて次来た時わかんねぇんだよな」
「そうそう。で、また適当に名前だけ見て頼んじゃうのよね」
「これぞ、回転寿司ループ!」
243.
「美味かったやつを覚えるにはどうしたらいい!」
「いや普通にメモ取れよ」
「食事中だぞ! メモなんぞ取れるか!」
「いつも食事中にスマホいじるクセして何言ってんだよ」
244.
「だいたい、食べ終わった直後ぐらいならまだ覚えてるだろうが」
「そうだ! そこで覚えてるからこそ、次来た時も思い出せるだろうって思っちゃうんだよ!」
「それ何度も経験すりゃ。メモ取る気にもなるだろ」
「そこで取らないのが私なんだよ!」
245.
「なに開き直ってんだよ。そこで自分の殻を打ち破れよ」
「でも、でも・・・! 自分との戦いって、つらいじゃないか・・・!」
「もっと熱くなれよ!」
「寿司は冷たい方がいい!!」