2020/04/26
226.
「兄よ!」
「妹よ!」
「・・・せーのっ」
「「フィナーレ!」」
227.
「フィナーレと言えば、思い出したよ。あの時のことを」
「そうか。あの時は、小学生だったか」
「私たちにもあったのさ、若き日が」
「まだ高校生だけどな」
228.
「いいじゃないか、小学生の時のことなんて“昔”さ」
「ま、そうだな。よき思い出ってやつか?」
「そう、ただの思い出かもしれない。でも人は、それを忘れることができな生き物なんだ・・・! 記憶こそが、人の全てとは思わないか!」
「全てとまでは言ってないだろ」
229.
「そう、全てじゃないかもしれない。でも、ちょっとぐらい、昔のことを思い出したって良いじゃないか。未来に進むためにも、過去は必要なんだ・・・!」
「で、何が言いたいんだよ」
「フフフ、よくぞ聞いてくれた」
「次回、美々香の大して深くない思い出が明らかに!」
230.
「おいおい、深くないとは失礼だな。私にとっては大切なものなんだぞ?」
「知るか。さっさとしろ」
「ったく、しょうがねぇな~」
「すまん何も明らかにならんかったわ」
231.
「何だかんだでもう分かってるんだろ? 私らが小学生の頃の“フィナーレ”と言ったらあれしかないだろう」
「バレては仕方がない・・・では、見せてもらおう!」
「毎日を生きるだけで精一杯でも! そこに必ず幸せはある! みんなで未来へ進むんだ!!」
「立ち上がれ! 妹よ!!」